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一般質問・代表質問

 

平成11年11月15日 第4回定例会本会議 一般質問
『地域情報化の推進等』について

 

(1) 都市水害頻発、ソフト面の整備を!
(2) 行政・地域情報のネットワーク化を問う

 

(1) 都市水害頻発、ソフト面の整備を!

【島崎】本年6月29日、遠く福岡市ではありますが同市観測史上2番目の一時間当たり79.5ミリの 記録的な豪雨に見舞われ、市を流れる河川が危険水位を越えていた情報を市民が知らなかった中で、 ビルの地下の飲食店で開店前の仕込みをしていた女性が逃げ遅れ、 濁流に飲み込まれて死亡するという事故がありました。
切迫する災害情報の伝達の遅れが被害を拡大させた側面が指摘されております。

 また、7月21日新宿区では、首都を襲った記録的な豪雨の日、 自宅地下室の倉庫の書棚の本が水に濡れないか心配でエレベーターで見に行った男性が、 地下室に流れ込んで天井まで一杯になっていた雨水で溺死するという報道もありました。
この日の同地付近の雨量は一時間あたり最大128ミリ。

 本市でも8月14日の豪雨では境地区で道路冠水・床下浸水などの被害があり、 このときの一時間の最大降雨量は34ミリでしたが、 新宿というごく近接した街での豪雨によるこの惨禍は、 今後同様の惨事が武蔵野市内でも起こりうることを示しています。

 河川の溢水による水害について東京都では川の合流点など5キロごとに水位を自動監視するシステムを備え、 市区町村にデータがリアルタイムで送られるようになっていますが、 重要なのは自治体側の対応です。
先の事例から本市においても組織や装備・施設を緊急時いかに有効に運用するかという ソフト面の充実は重要と考えます。

【島崎Q】桜堤団地ではビオトープも姿を現し仙川水辺環境整備の着実な進捗を心から願うが、 一方では河川の基本的定義である治水機能の確保も重要な問題。
市は景観整備と治水の両立を今後どう図って行くのか?

【市長A】仙川については昭和51年の大台風による被害後3カ年かけて大改修がなされ、 それ以来溢水はほとんどなくなった。しかし同時に「仙川」から3面張りの「仙堀」になってしまった。治水はある程度完成しているので、 これからは治水も考慮しつつ日ごろの水辺環境対策を中心に進めて行く。

【島崎Q】先の2件の死亡事故を受け建設省など4省庁は地下水害の危険性の啓発、 地下空間管理者への洪水情報の迅速・的確な通報と非難体制の確立など緊急対策をまとめた。本市としても地下水害対策の見直しなどを考えているのか?

【市長A】本市の平成9年末の統計だが建物総数の約1%にあたる234棟の建物に地下空間がある。
本市では通常地下室への水の流入を防ぐ積み土嚢工法の水防訓練とか マンホールの溢水防止対策などを行なっているが、 指摘されたようにこれからの治水対策はヒートアイランド現象がもたらす突発的な豪雨など、 都市型の被害・地下水害対策等への対応が重要となる。
これらを今後ともよく関係機関と連絡を取り合いながら対応して行きたい。




(2) 行政・地域情報のネットワーク化を問う

【島崎】平成9年市長の諮問を受けた武蔵野市地域情報化計画検討委員会は 「武蔵野市における地域情報化の推進」の報告書を、本年2月に提出しました。
 報告書は、地域経済を支える商業・サービス業・医療福祉事業など産業の情報化や 情報サービス業の創業支援を行ない、同時に情報ニュービジネスに携わる人々が地域に根ざして この情報化運動に参加することにより、 活力に溢れた新たな地域住民の交流が生まれる仕組みづくりを行なうというもので、 そのためには市内の企業・教育研究機関との連携によって、 高度情報システムを構築してこのネットワークを結び、 行政・民間・市民の区別なく必要な情報・サービスを共有することによって、 行政プロセスの単純化・組織のスリム化をはかり、 自治体のリエンジニアリングを行なうという"提言書"です。

 マルチメディアによる地域情報化は市民と行政の関係を大きく変化させます。第1に、行政・企業・団体・市民がそれぞれ主体的に情報発信ができること、 これまでのCATVやFM武蔵野など、情報の送り手が専門化・集中化し利用者からの 情報発信がほとんど出来なかったのに対して、マルチメディアでは利用者自らが発信者になれるなど、 市民と行政の情報交流・共有がオープンに行なえることが最大の特徴です。

 第2に、距離・時間・場所の制約を越えてコミュニケーションができること、 つまり電子窓口など新しい市民サービス(ワンストップ・ノンストップサービス) の展開も可能になるというものです。第3に、より多くの市民の参加により 各種計画策定にあたって意見・提案を受け付け、構想に反映出来ること。第4に、災害や医療などで緊急時への対応がより充実し、他の機関との連携もしやすくなるということです。

 特に私が注目しているのは、市民生活の飛躍的向上が期待されるワンストップサービスの実現と、 防災分野における情報システムの整備です。
 これについては所沢市の実施例があり、私も実際に視察してきました。同市のこの事業は郵政省などの「先進的情報通信システムモデル都市構築事業」として 総事業費5億1200万円のうち、2億2700万円の国庫補助をうけた 行政・地域情報化ネットワークシステムの構築事業で、 各公共施設の情報をオンライン化しインターネットで結んで市内主要施設20カ所に 銀行のATMのような端末機器を設置するとともに、 家庭のパソコンのインターネットや電話・FAXなどからも利用できるようになっています。

 その利用方法は、希望する市民個人と市民が作る団体の2種類の利用者カードを発行し、 上記のどのメディアからでも暗証番号入力により、行政情報の提供システム利用はもとより、 公民館・体育館・運動場など公共施設の利用状況確認や予約サービス、 図書館の蔵書検索および書物の予約や近隣図書館への転送サービスが受けられるほか、 ヘルパー派遣など介護保険にも対応した福祉の総合的な情報、 生涯学習支援や学校教育、水質情報提供や災害に対応する被災地情報の発信などを総合的にネットワーク化し、 多様なメディアを通じて市民が各サービスに簡単にアクセスすることができるというシステムが 実際に統合され稼働している実例でした。

 とくに、被災地情報ネットワークについては、 平成7年に発生した阪神・淡路大震災で発生時および復旧過程において、 情報通信の断絶が被害を大きくした要因となった一方で、携帯電話やインターネット、 パソコン通信など新しいメディアによる情報伝達が、従来の情報通信網の断絶を補完し、 ボランティアなど市民活動の基盤となることを証明した教訓が活かされているものでした。

 もちろん、これが本市にそのまま当てはまる訳ではありませんが、 本市の報告書が指摘する地域情報化に向けたいくつかの課題の参考にはなります。

 例をあげれば「情報の平等性」の確保・「移動上の制約」への配慮は、 従来のメディアである電話やFAXからもほとんどの機能が利用できることにより、 ほぼすべての市民がこれらの情報にアクセスできる環境が用意されています。また「時間的制約」すなわちフルタイムで働く市民への配慮という点でも、 全て自動応答のため平日5時以降も9時まで利用可能となっています。

 なお付け加えると、同市では3月10日のシステム稼働からわずか6カ月後の9月の集計によると、 現在施設を利用する市民の約45%がこれら各種情報メディアから予約などを行なっており、 利用率は日を追うごとにアップしているそうです。さらに、これにより市内10カ所の関連施設職員のうち30人ほどを人員適正化できることとなり 自治体のリエンジニアリングが進むことも実感しました。

 本市の報告書では、情報ネットワーク時代を踏まえて情報化の推進と平行する形で 「個人情報の保護」の抜本的な見直しが望まれるとしています。

 現在政府でも、今年7月の改正住民基本台帳法の成立と、 その審議過程での「民間部門を含めた個人情報保護法の3年以内の制定」という与党合意を受けて、 政府の高度情報通信社会推進本部は11月9日、個人情報保護検討部会を開き、 個人情報保護システムに関する第一次報告案をまとめています。
 同報告案では、情報ネットワーク化の進展を踏まえ、 民間部門を含めた個人情報の保護・利用に関する包括的な基本法の整備を「緊急の課題」と位置付けて、 分野ごとの保護法制定と事業者に対する規制措置や罰則規定などを整備して行く方針が確認されております。

 本市の報告書では、これらの法整備や運用の面でのセキュリティの確立がなされ、 本人認証ならびに決済方法の整備ができれば、実現可能なレベルに達していると記されております。

【島崎Q】「武蔵野市における地域情報化の推進」報告書への 土屋市長の基本的な評価と考え方および市が現在優先的に検討している事項や今後の取り組みは?

【市長A】インターネットによるネットワーク構築は、一方では不正アクセスなどにより 世界的・地球的危機が一瞬のうちに起こる可能性もある。ヘッジファンドによるタイのバーツの大暴落もコンピューター社会を象徴している。これらプラス面ばかりでなくマイナス面も多くあることを念頭に置きながら、 地域情報化の推進は慎重になおかつやるときはきちっとやっていきたい。

【島崎Q】情報ネットワークを支えるパソコン機器などの端末機も低価格化で急速に普及し、 今やだれもが手軽にインターネットができる状況にある。
 報告書では2005年のインターネット普及率70%という予測も出ており、 また、電話やFAXなど、従来の情報通信機器も十分に活用可能な "所沢市のような実例"もあることを踏まえて、 市の今後の情報通信ネットワーク構築にむけた構想を伺いたい。

【市長A】今年行われた住民基本台帳法の改正に伴うネットワークシステムは、 これからの行政の基準になって行くだろう。一方でプライバシー保護の問題もあり、個人情報保護法の検討推移を見ながら研究し、 指摘された所沢市のような先進的な自治体の例も参考にしながら、 本市の今後の計画の中に活かして行きたい。

 

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