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一般質問・代表質問

 

平成15年 6月16日 第2回定例会本会議 一般質問
本市の『教育改革』等について
~信頼される学校教育の確立に向けて~

 

▽ 「教育基本法」見直しの動きと、改正の必要性への見解について
▽ 本市の「教育改革」の課題について
(1)「学校評議員制度」これまでの取り組みと具体的成果は?
(2)本市では「学校評議員」ではなく「開かれた学校づくり協議会」との名称にしている意味は?
(3)「開かれた学校づくり協議会」意見収集・情報提供システムの今後の考え方は?
(4)「学校評価」外部評価の考えは?
(5)地域や保護者が学校運営に関与する取り組み「学校理事会」への見解は?
▽ 小・中学生の「成績評価」と「学力向上対策」について
(1)文部科学省が行った「教育課程実施状況調査」の分析結果は?
(2)市立小・中学校の学力向上対策と教師の指導力強化についてのビジョンは?
(3)全校で「学力テスト」を実施し、授業の指針づくりの参考にすべきでは?

 

▽ 「教育基本法」見直しの動きと、改正の必要性への見解について

【島崎義司】 敗戦による我が国の社会的混迷が続く昭和22年3月、現行の教育基本法は当時の連合国軍総司令部、いわゆるGHQの統制下で9年間の義務教育や教育の機会均等、地方公共団体にあっては社会教育インフラの整備など、教育の諸制度に関する骨格を定めた11カ条からなる法律として制定されました。

 さかのぼること昭和21年8月、米国対日教育使節団の報告書を受けて設置された内閣直属の教育刷新委員会は、当初、それまでの日本人が持っていた道徳観や倫理観、公共心育成の規範ともなっていた教育勅語を保持した上で、この教育基本法が成立し、法と道徳のセット、車の両輪となるという認識でいたことが文献などからうかがうことができます。
 しかし、教育基本法制定から1年が経過した後、米国国務省の教育勅語全面禁止の決定と、それを受けた極東委員会の同趣旨の指令により、GHQ民生局担当官が衆参両文教委員長を呼び出して教育勅語排除の口頭命令を発したことを受けて、昭和23年6月、衆参両院で教育勅語の排除と失効の決議を強制的に行わされるに至りました。

 教育勅語は、御存じのとおり、明治憲法公布の翌年である明治23年10月、立憲君主たる天皇が父母への孝行、兄弟への友愛、夫婦の和合、友との信頼、礼儀と慎み、博愛心、勉励と勤労、知識と人格の育成、公益の増進、社会奉仕、遵法、義勇奉公などの徳目を掲げて、これらが歴史的にも国際的にも普遍的な道徳であるから、自身とともに努力して人格を磨くよう広く国民に呼びかけるためにつくられたものです。
 もちろん、私は教育勅語をそのまま現代によみがえらせよなどと言うつもりはありませんが、教育勅語にあらわされた日本の国柄や掲げられた徳目は、我が国における倫理・道徳の普遍的原理を端的に示す文章として素直に受けとめることができ、現代の教育にこそ取り入れ、生かすべき要素が数多く詰まっているという思いは持っております。

 戦後、教育の公平性や機会均等、個人や権利重視主義をうたった現行の教育基本法のもとに構築された教育の諸制度が、一面では国民の教育水準を向上させ、経済社会発展の下地ともなったという意義は認めます。
 しかし、同時にこの教育基本法がその制定時、それまでの日本人が持っていた道徳観や倫理観に大きな影響を与えていた、父祖、祖先への尊敬や自然への畏敬といった日本人特有の概念、広い意味での宗教観、自然観とも言うべきものへの無理解。そして、日本の文化・伝統教育、イコール軍国主義復活という考え方を持っていた当時のGHQの干渉を受けたことにより、教育基本法は我が国文化・伝統への配慮が皆無なものとなり、その結果、西洋的宗教への信仰心、神、ゴッドとの契約のような概念により形成されている社会的規範・規律意識を持たない日本は、伝統的道徳観や倫理観といったものを軽視する社会的素地をつくり上げてしまったのだと考えます。

 昭和50年代の中ごろから、核家族化や都市化の進展を背景に、社会連帯意識の希薄化、家庭の教育力の低下、受験競争の低年齢化などが進み、また戦後教育の負の遺産ともいえる個人と公のバランスを欠いた倫理観に乏しい大人たちの増加による社会モラルの低下も、青少年問題や社会的事件、事故などという形で日本の社会にさまざまなひずみをもたらしました。
 特に、バブル崩壊後、出口の見えない長期不況や少子・超高齢化社会に対する将来不安や雇用不安が増大し、新規学卒者の就職も極めて困難な状況の中で、青少年は夢や目標を持ちにくくなりました。自信喪失感や閉塞感が広がる中で、規範意識や道徳心は低下し、学校ではいじめ、不登校、中途退学、学級崩壊、青少年による凶悪犯罪なども依然として問題視され、さらに環境問題や情報技術、生命科学等が猛烈な勢いで発達・変化する中で、その教育についても新たな対応が求められている現状があります。

 このように、教育基本法制定から半世紀以上の間に我が国社会が著しく変化すると同時に、国際社会も大きな変貌を遂げる中で、日本の立場や果たすべき役割も変化し、世界の中の日本という視点がより強く求められるようになりました。

 そのような中で、これらの諸問題に対応するために、平成12年3月、当時の小渕総理の私的諮問機関として設置された教育改革国民会議は、同年12月、教育を変える17の提案という報告の中で、教育基本法の見直しを提言、これを受けて平成13年11月、小泉内閣のもとで遠山文部科学大臣が中央教育審議会に新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方を諮問し、その後、平成14年11月に中間報告、そしてことし3月に答申が発表され、現在、日本を取り巻くさまざまな危機的状況を克服するために行われている政治、行政、司法、経済構造などの基本的制度の抜本的な改革とともに、教育の分野についてもその支柱となる教育基本法を改正することによって、新時代に対応し得る人材育成を図ろうということで、まさに今、国会での議論が盛り上がっているところであります。

 なお、同答申では、教育基本法改正の必要性を、21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人育成のために、教育上重要な理念や原則を明確にすると位置づけ、改正の視点を、
(1)として、信頼される学校教育の確立。
(2)として、知の世紀をリードする大学改革の推進。
(3)として、家庭の教育力の回復。学校、家庭、地域社会の連携・協力の推進。
(4)として、公共に主体的に参画する意識や態度の涵養。
(5)として、日本の伝統・文化の尊重。ふるさとや国を愛する心と、国際社会の一員としての意識の涵養。
(6)として、生涯学習の実現。など、現行法では明確に規定されていなかった基本理念を盛り込むことを提案しております。

 また、教育基本法改正と同時に、新しい教育を実行する具体的な制度の改善と施策の充実を目指して、教育振興基本計画を策定し、教育改革を総合的に進めていくとして、計画では、
(1)として、いじめ、校内暴力を5年間で半減。
(2)として、世界水準の英語力。
(3)として、学生の成績評価の厳格化。
(4)として、子どもの体力や運動能力の向上。など、具体的な目標も示しております。

 私は、この中教審の答申が教育基本法改正の視点として、これまでの戦後教育の中で論じることさえタブー視され、なおざりにされてきた公共心や規範意識、日本の伝統や文化の尊重、国や郷土を愛する心、そして教育の原点たる家庭の役割などを真正面からとらえていることを高く評価したいと思います。
  21世紀、日本の教育基本法は、次代を担う子どもたちが夢や志を高く持ち、自分の国や地域、歴史への愛着をはぐくむ。社会や国家、世界のあるべき姿を偏見なく正しくとらえ、日本人としてのアイデンティティーをしっかりと持って、他の国や人に礼をもって接することができる精神や哲学、背骨のしっかりとした日本人の日本人による日本人のための教育の基本法でなければならないと思うからであります。

 そこで、まず、これら一連の国の動きを踏まえて、本市の教育理念や教育目標に照らし合わせて考えた場合、教育長は現在行われている教育基本法改正の動きやその必要性について、どのように受けとめ、どのように評価しているのか、ぜひお聞かせ願いたいと思います。

【川邊重彦教育長】 教育基本法関連でございますが、御指摘のとおり、本年3月20日、中央教育審議会は新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について答申しました。
 その中で、現行法に定められた根本理念、つまり個人の尊厳、人格の完成、平和的な国家及び社会の形成者の育成などに加えて、21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成を目指すという観点から、新たに社会の形成に積極的に参加する、そういう意味での公共あるいは道徳心、自立心、そしてまた日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する国際社会の一員としての意識の涵養などの条項が挙げられているわけでありますし、さらに御指摘のとおり、家庭教育の重要性を規定するとか、あるいは学校、家庭、地域の連携・協力というものを推進する項目を入れる等々の規定がございます。
さらには、これまで基本法だけでありましたので、なかなか具体的な、下位の法律では定められているわけでありますが、環境基本法には環境基本計画があるように、教育振興の基本計画の策定を義務づけるという意義づけもしなさいと、こういうようなことも答申であったわけであります。
 これらの答申の内容と本市の教育委員会の教育目標を照らし合わせますと、かなり重なる部分があるわけでありますが、例えば本市の教育委員会の目標の前文の中で、子どもたちが我が国の歴史や文化を尊重し、国際社会に生きる日本人として成長することを願って進めるとか、あるいは互いの人格を尊重し、思いやりと規範意識がある人間を育てたいとか、あるいは社会の一員として社会に貢献しようとする人間。あるいは、みずから学び、行動する個性と創造性豊かな人間等々の目標を掲げているわけでありまして、今後、さらに教育基本法として今、法案をつくるという段階に来ているわけであります。
 そういう経緯を見ながら、さらによりよいものにしていきたいというふうに考えているわけであります。ただ、今国会に上程するというような動きが当初はありましたが、現在のところ、与党の中に研究会を設ける等々、若干いろいろ議論があるようでございます。

【島崎義司】 御答弁ありがとうございました。
 教育基本法については、陳情も出ていることですので、ここではこれ以上議論するのは控えたいと思います。


▽ 本市の「教育改革」の課題について

【島崎義司】 次に、申し上げてきた教育基本法改正の視点、教育振興基本計画の具体的目標などとも関連する、本市の教育改革に関する幾つかの課題について伺っていきたいと思います。

 初めに、国内外の教育改革の事例を挙げながら、信頼される学校教育の確立。学校、家庭、地域社会の連携・協力の推進に向けた本市での現行制度下での取り組みや今後への考え方等についてお伺いいたします。
 平成12年4月の学校教育法施行規則の改正により、学校評議員制度が設けられました。本市でも、開かれた学校づくり協議会という名称で2年間試行された後、平成14年度から本格実施されていると聞いております。学校評議員制度の趣旨は、学校、家庭、地域が連携・協力しながら、一体となって子どもの健やかな成長を担うため、学校をより地域に身近なものとし、これによって学校や地域の実情に応じ、保護者や地域住民の意向を把握・反映しながら、その協力を得て、学校運営と特色ある学校づくりに生かしつつ、学校として保護者や地域への説明責任を果たしていくものと理解しております。
 ところで、この日本の学校評議員制度がモデルとした欧米諸国では、学校に地域代表がさらに深く参画するシステムが一般的で、教会から発展した歴史を持つイギリスの学校には、昔から学校理事会があり、サッチャー政権時代、当時の英国病克服のためのさまざまな社会制度改革の一環として、自主的な学校運営のシステムづくりも進められて、現在、同国の学校理事会では、カリキュラムの基本方針決定、校長、副校長の人選を行い、予算については行政当局が各学校の規模に応じて配分額を決定しますが、具体的な運用については学校理事会が考えるという制度で、この理事会の構成は、校長、教職員の代表、親の代表、行政当局の代表からなり、校長の役割は教育の専門家として学校理事会がその役割を果たすのに必要な専門的助言をすることとなっております。
 日本でも、本年1月、東京都の足立区立五反野小学校が文部科学省の新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究校に指定され、イギリス等の学校運営をモデルに、保護者や地域の方々が学校運営に参画する学校理事会が設置されました。これは、同小学校において平成14年10月から地域運営検討委員会を設け、議論を進めてきたもので、設置された五反野小学校の学校理事会は、校長と教職員代表、保護者や開かれた学校づくり協議会などの地域代表ら計11人で構成され、保護者や地域の代表が校長や先生たちとともに、学校教育や基本方針の策定、教育課程の編成など、学校運営の意思決定にまで参画していくというものと聞いております。
 これらの趣旨を取り入れた学校評議員制度、本市での開かれた学校づくり協議会委員は、学校に地域や保護者の意見を反映する制度ではありますが、校長が推せんし、学校設置者が任命する学校評議員は、あくまでも校長の求めに応じて意見を述べる存在であって、学校理事会と学校評議員は似て非なる制度と言えます。しかし、いずれにしても、学校評議員制度はまだ緒についたばかりであって、今後の保護者や地域と学校との連携システムとしては重要な役割を果たしていくものと、期待もしているところであります。
 そこで、学校評議員に関連して何点かお伺いしてまいります。


(1)「学校評議員制度」これまでの取り組みと具体的成果は?

【島崎義司】 1点目として、平成12年から2年間の試行を経て、平成14年度から本格実施している学校評議員、本市での開かれた学校づくり協議会は、これまでどのように開かれてきたのか。議題としてはどのようなことが取り上げられてきたのか。保護者や地域の声が反映されたという具体的な事例についてもお示しいただければと思います。

【川邊重彦教育長】 開かれた学校づくり協議会でありますが、平成12年度に試行いたしまして、13年度より正式に武蔵野市開かれた学校づくり協議会設置要綱並びに実施要綱を定めて実施してまいったところでございます。
 委員の選定については、校長が推せんし、教育委員会が委嘱するもので、協議会の開催は年3回を原則として校長が招集するものであります。外部の委員としては、自治会、子ども会、商工団体あるいは事業団体の関係者、大学、私立学校の関係者等々、地域の有識者、PTA関係、保護者等に御参加いただいているわけであります。
 協議事項は要綱に定めているわけでありますが、学習指導、学習活動、学校行事等の教育活動について、あるいは児童生徒の指導について、大きい項目で恐縮でありますが、学校と家庭、地域社会及び関係諸機関との連携について。そして、学校の教育活動の公開及び施設開放に関すること、そういうものについて、さまざまな角度から学校運営がまさに地域に根差した、地域に開かれた学校となるように御協議いただいているところでございます。
 保護者や地域の声が反映されたという具体的な事例についてということでありますが、子どもがもっとたくましく生きるような力をつけたいとか、いろいろ目標にかかわるような御議論が多いわけでありますが、そういうものは今後さらに努力するということになるわけでありますが、端的に御指摘があってできたということでいえば、私たち保護者も学校評価に加わりたい、私どもも学校を評価するという機会を設けてもらいたいとか、あるいは子どもたちや教職員の外来者へのあいさつを、もう少し気持ちよくできるようにしてもらえないだろうかとか、あるいはセカンドスクールでわらじづくりを、自分が小さいころやったので、とてもいいことだし、ぜひやらせてもらいたい、そういうものはすぐ教職員にも働きかけ、実現していることは多々あるわけでございます。

(2)本市では「学校評議員」ではなく「開かれた学校づくり協議会」との名称にしている意味は?

【島崎義司】 2点目として、基本的なことですが、平成14年度からの本格実施後も、学校評議員ではなく、開かれた学校づくり協議会という名称にしている意味について御説明願いたいと思います。

【川邊重彦教育長】 学校評議員ではなくて、開かれ学校づくり協議会という名称にしている意味でございます。御案内のように、平成12年1月の学校教育法施行規則の一部改正によって、学校評議員を置くことができるというふうになったわけであります。
 1つは、学校評議員に校長が必要な意見を聞くということになっているわけで、評議員会を開くということは義務づけはないわけでありますが、一堂に会して、個々に伺うことも結構ですが、さらに会としてお互いに意見を交換し合い、学校運営にいろいろ意向を反映させていただくと、こういうことであります。会としたということと。それから、その規定の中で、これに類似するような仕組みを設けている場合は、わざわざそういうものを廃止したり、改正したりして学校評議員というふうにしなければいけないということではないわけでありまして、東京都の実情を見ても、学校評議員という名でやっているのが30%、学校運営連絡会議とか学校運営協議会などという名称が約30%、開かれた学校づくり協議会、その他地域連絡協議会等々、さまざまな名称で行われているわけであります。その趣旨については、同じであります。学校評議員、何をやるのかということを説明しなきゃいけないわけでありまして、開かれた学校づくりのための協議していただくということでありますから、名は体をあらわすということで、そういう名称にさせていただいたわけであります。

【島崎義司】 学校評議員を開かれた学校づくり協議会にということについてなんですが、これは本市ではソフトな名前でしっかりと教育の内容を見つめていくという方針だと思うんですけれども。これは、考え方の問題なんですが、やはり学校評議員となると、見られる方も緊張感を持って、そういう態度で臨んでくるのかなと。開かれた学校づくり協議会だと柔らかくて、多分、私のところにも送られてくるんだと思うんですが、どれが開かれた学校づくり協議会で討議された結果というか、報告なのかというのがわからないので、情報提供の面も含めて、もうちょっとわかりやすく、名前のことはいろいろな考え方があるでしょうから結構なんですが、もうちょっとわかりやすく情報提供していただけないかなと常々思っているわけであります。

【川邊重彦教育長】 学校評議員でございますが、評議員でイメージしますと、必ず私立学校と同じように理事会があって、理事会でいろいろ評決する。その下の評議員だと。じゃあ、公立学校に理事会、どこにあるの、こういうふうになる、いわゆる組織論の問題もあり、誤解を招くといけないということで、開いて、その役割と協議している内容がどういう方向で協議しているかということをおわかりいただけるようにということで、そういう名称にしたわけでございます。

(3)「開かれた学校づくり協議会」意見収集・情報提供システムの今後の考え方は?

【島崎義司】 3点目として、開かれた学校づくり協議会を活用した保護者や地域からの意見収集システム、またそこで行われる議論の情報提供システムなどは、どのようになっているのでしょうか。今後、どのようにしていくべきとお考えしょうか、お伺いしたいと存じます。

【川邊重彦教育長】 意見集約収集システム及び情報提供システムは、今後どうしていくか、こういうことであります。学校評価等も保護者が行う段階から、さらに協議会の委員を含めた地域関係者、学校だよりなどをお送りしている広範な方々も評価に参加していただくなど、意見を集約しつつ、必要なものについては、学校だより等に掲載してお知らせしているということであります。
 何よりも教職員の意識を改革するという意味では、校長が話題になったことから、ぜひ先生方に地域の声というものに耳を傾けていただくというのは、即座にお伝えしているということでありまして、内容のすべてを全部、ただ会議報告ということでは行っておりませんが、さまざまな協議された、意見として出された内容について、ぜひ注目したいという内容については、広くお知らせを今後ともしていきたいというふうに考えております。

(4)「学校評価」外部評価の考えは?

【島崎義司】 4点目として、本市で行われている学校評価について、これまでは自己評価の推進ということで進められてきたようですが、今後は自己評価から外部評価へと進んでいくべきと考えますが、この学校評価のあり方について、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

【川邊重彦教育長】 評価でございます。先ほど申し上げましたように、学校評価はもちろん学校すべてで行っているわけでありますが、昨年度ですと、外部評価を含めて行った学校が15校でありまして、本年度、全校が行う、こういうことで進められております。
 そこで、現況と今後をどのように考えるかということでありますが、1つは評価に参加していただくという方々に、もっともっと学校の実情を、子どもの姿をしっかり見ていただくということが前提でありまして、抽象的な項目ではなくて、その学校の教育課程の具体的な見解に対して評価していただくわけでありますから、もう既に6日間の学校公開等も行う学校があるわけでありますが、より一層、学校公開をし、授業公開をし、道徳授業の公開と地域懇談会等々を開いて、実情をよく知ってもらうということが外部評価の根底に大事なことだろうと。
 それから、外部評価の内容項目も、初めのうちは、もう2年前ぐらいから始めている学校もあるわけでありますが、大変内容がかたくて、理解しがたいというか、評価しにくいというような声もいただいておりましたので、だんだん具体的になってきているわけであります。例えば、教師の説明がはっきりわかりやすい説明であったか。あるいは、先生の説明や言葉というのは、子どもたちによく聞き届けられるというか、聞き取りやすい音量で、内容は明確であったか。そういう授業を見ても、評価の観点ももっと具体化していこうということで、次第に実態に即したいい評価に成長している、またさせていかなければいけないというふうに考えております。

(5)地域や保護者が学校運営に関与する取り組み「学校理事会」への見解は?

【島崎義司】 5点目として、前出の日本でも取り組まれ始めた学校理事会のような、一歩踏み込んだ地域や保護者と学校との関係について、教育長はどのようにとらえているのか。開かれた学校づくり協議会の今後の展開などとあわせて御所見を伺いたいと存じます。

【川邊重彦教育長】 学校理事会のような一歩踏み込んだということで、足立区の研究指定を受けて行っている例がございます。これまで準備を行い、平成15年度から校長の公募をしようと、こういうことになったわけでありますが、今の人事システムでは、校長は地教委の意見、内申に基づいて、都教委が承認させる、選考もしているわけでありますから、そういうシステムを超えて、だれでもいいから校長というふうに、人事は今のところはできない、そういう仕組みで、研究校でもそれはできないわけであります。
 そこで、足立区内の先生で、ぜひこの理事会に応募してもらえないかということで募集したんですが、応募された校長先生はゼロ名であったと、こういうことでありますし、それまで3年にわたって研究を続けてこられた校長先生も異動なさると、こういう状態で、新たな校長が転任して入られたということであります。もちろん、その趣旨も理解しながら着任なさったんだろうとは思います。
 それから、校長が職員を採用するというのがイギリスの学校理事会における校長の仕事であるわけでありますが、それもシステムとして県費負担教員でございますので、独自に選ぶということは、今の現行制度上、困難だということ。
 それから、アメリカのように教育税というものを一般の税から孤立してカウンティー、その場で別に徴収するというシステムが、学校の独自性の予算というのがかなりあるわけでございますが、これも現在の仕組みでは、本市では全予算の8%ぐらいが校長の裁量で支出できるようにしているわけでありますけれども、そういう仕組みもまだ整わないということで、果たしてイギリス型の理事会というものがうまく根づくのかどうか、今後とも関心を持ってまいりたいというふうに思っております。


▽ 小・中学生の「成績評価」と「学力向上対策」について

【島崎義司】 次に、小・中学生の成績評価と学力向上対策について伺っていきたいと思います。
 本年5月12日、文部科学省国立教育政策研究所は、全国の小学5年生から中学3年生の生徒を対象に実施した学力テスト、教育課程実施状況調査の分析結果を公表しました。このテストは、学習指導要領の理解度を調べ、指導などに生かすために、旧指導要領のもと、昨年1月から2月にかけて全国の国公私立の小・中学校約6,100校、児童生徒約45万人を対象に実施したものですが、その結果、生徒が出題の意味がわからず、誤答しているケースが目立ったとの分析で、数学や社会科以前の国語力が不足しているということが明らかになりました。旧指導要領下でのこの結果から、教師の指導力低下も原因であると指摘されております。
 文部科学省は、昨年から学びの勧めと題する大臣のアピールを出したり、教科書に指導要領を超える記述を認めるなど、ゆとり教育を徐々に改めようとはしておりますが、私自身、小学生の子どもを持つ親として、現在のカリキュラムなどを見て、この授業時間数、学習量で学力が保持できるのかというのは、甚だ心配なところであります。
 最近では、国とは別に独自の学力テストを実施する自治体もふえていると聞き及んでおります。東京都品川区では、ことし4月に区立中学1年生を対象に国語と数学のテストが行われ、その結果は学校ごとの平均点や出身小学校別の正答率がホームページで公表される予定といいます。
 また、荒川区の教育委員会では、既に6月5日、区立の全小・中学校の児童生徒全員を対象に本年2月に実施した学力テスト、小学生は国語と算数、中学生は国語、数学、英語について学校別の成績を公表し、区のホームページにも掲載したとの報道もありました。荒川区では、基礎学力の定着度を保護者や地域に示すのがねらいとしており、公表されたデータによると、学校間の差は小学校算数の基礎分野で最大21ポイントにも上ったといいます。同区では、小・中学校を選べる学校選択制を導入しているため、学校側からは公表に伴う学校の序列化を危惧する声も上がっているようですが、同区の教育委員会では、学力低下が全国で指摘される中、公立学校間の基礎的な学力の到達度を高めるための競争は必要。このデータだけを見て、成績のよい学校を選ぶようになるとは思わないと話しているそうであります。
 このような自治体独自での学力テスト実施の動きは、文部科学省の平成15年4月現在でのまとめによると、今年度中に行う都道府県や政令指定都市の教育委員会は43教委にも上り、昨年度の27教委から大幅にふえて、ほかにも8教委が実施を検討中だといいます。いずれも、子どもたちが学校で教えられた内容をどのくらい理解しているかを見るのがねらいで、昨年度から学習内容を3割減らしたと言われる新学習指導要領や完全学校週5日制が実施されたことが、取り組みが広がるきっかけになっていると言われております。
 そこで、これら国や他自治体の学力評価の動きを踏まえて、3点についてお伺いしたいと思います。

(1)文部科学省が行った「教育課程実施状況調査」の分析結果は?

【島崎義司】 1点目として、この文部科学省の関連機関が行った教育課程実施状況調査の分析結果は、当然本市にも来ていることと思いますが、本市ではこれをどのように受けとめ、どのように生かそうと考えているのか、お示しいただきたいと存じます。

【川邊重彦教育長】 学力調査のことであります。文科省で国立教育政策研究所が中心になって教育課程の実施状況の調査を行ったわけであります。平成14年2月に調査した。つまり、平成13年度の調査の報告がこの5月末になって出、きょうも日本教育新聞から、その概要版が出てきました。今、そういう内容が部分的に新聞やその他に取り上げられているわけでありますが、ホームページで全部検索するという、そういう作業が必要なわけです。
 いずれにしても、小学校が4教科、そして各教科ごとA、B、Cという3種類の別の内容。そして、中学校も5教科、それもA、B、Cですから、27項目を45分、50分で調査した内容でございますので、大変膨大なものであります。本市でも、この利用について考えたわけでありますが、問題については複製はまかりならんというようなこともあり、大変情報入手には苦しんでいるわけでありますが、断片的な情報も含めて、今後、教育情報誌でも内容が伝えられてくるということでありますから、大いにそれを活用して、自校の教育指導の改善に役立てていただきたいというふうに学校にもお願いしていきたいというふうに思っております。
 実態調査の中身を言い始めますと、大変膨大なものになります。そういうことでとどめさせていただきます。

(2)市立小・中学校の学力向上対策と教師の指導力強化についてのビジョンは?

【島崎義司】 2点目として、学校週5日制による総授業時間数の減少などにより、学校での勉強に対する期待はますます薄らぎ、近年は勉強は塾で習うものという風潮さえ感じられますが、私は基本的にはまだまだ公立小・中学校に希望を持ちたいと考えます。教育委員会は、市内小・中学校の教育力、すなわち公立学校の本来の役割である学力を児童生徒にしっかりとつけさせること。そして、そのために必要不可欠な教師の指導力強化について、どのようなビジョンをお持ちでしょうか、お聞かせ願いたいと存じます。

【川邊重彦教育長】 教師の指導力の強化が大事だろうということでありまして、初任者研、10年次研修が本年度から始まるわけでありまして、それぞれの指導力の実情に合わせたカリキュラムをつくって研修するということであります。
 本市独自では、教育研究員制度ということで、小学校1名ずつ、中学校各校1名ずつ、18名が集まって、年間テーマを設けて授業というものを中心にしながら研究活動を毎年行っているわけでございます。途中には、1週間ほど、全国でも先進的な学校に勤務派遣をしながら、授業の計画から実施に当たる状況をつぶさに体験させているわけであります。そういう試みと。
 それから、現在、人事考課制度が行われておりますが、私は校長先生方には授業を高める、授業力を高める学校経営ということを大きな眼目にしていただきたいということでお願いしております。それは、年間にわたって3回、大規模校はそうはいかないんですが、小学校では45分、中学校は50分の授業を、全員の授業を1学期間にみんな校長先生に見ていただく、こういうやり方。そして、その機会を、例えば大野田小学校の校長のように、授業記録をとって、そして授業の後、放課後に教員と1時間にわたって授業のあり方についていろいろ指導助言をする、こういう機会があるわけでありますが、一つ一つ丁寧に、何としても教育改革の中心は、授業で子どもたちが今ねらっている力がきちんとつくかどうかというところに最大の眼目があるわけでありまして、一番強調し、御努力いただいているところでございます。

(3)全校で「学力テスト」を実施し、授業の指針づくりの参考にすべきでは?

【島崎義司】 3点目として、学力低下への不安が増す中、さきに挙げた品川区や荒川区で行われた学力テストの試みは、地域の実情に合わせた学力向上対策、授業の指針づくりをしていく上でも大いに参考にすべきと考えますが、本市ではこのような学力テストなどによる学力の客観評価についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

【川邊重彦教育長】 学力テストの状況であります。幾つかの地区名を出してお話がありましたが、基礎的な学力をきちんと身につけるということは大事なことですし、学校や市だけではなくて、広く母数の多い調査をして、その中で本市はどうなのか、本校はどうなのか、この子の達成の状況はどうなのかということを指導の改善の手がかりにしていくということでは、大事なことだろうと思います。ただ、いずれも自区内でやる問題点というのは、自区内の先生がつくらなきゃいけないと、こういうことになるわけでありますが、テストをしなきゃいけない側がテスト問題をみんなでつくると、こういうことになりますと、公平性の問題もあります。非常に難しい。そういう意味では、今、御指摘いただいたところは、民間の業者と提携しながらつくっているということでありますが、中には中学の先生がつくったために、小学校を卒業したばかりの子どもの学力で、問題に問題があるのではないかというような御指摘があったり、なかなか非常に難しい問題があるようでございます。あるいは、業者にお願いしているだけに、内容については配らない、戻さないというような、そういう制約等もあるわけであります。
 本市では、昨年度、東京都が小学校4年生と中学校1年生、30%の抽出調査を行ったわけでありますが、その際、校長会にもお願いして、これを悉皆調査で行いました。30%協力すると同時に、武蔵野全体の状況がどうかということで調査させていただいたところであります。そして、そういう内容を地区の先生方に出てきていただいて、武蔵野市の実情について分析した文書を学校に配付し、学校ではそれぞれの学年、それぞれの子どもたちの達成の状況を精査しながら、要は子どもたちの学力がきちんとつく、そういうためにそれを使う、こういうことでありますので、どこの学校が優秀だとか優秀ではないとかという順位をつけたり、そちらにばかり興味や関心が行くというような方策はとらないということでやっているところでございます。

【島崎義司】 対策についてなんですが、これにつきましても、余りとりたてて目立った、突拍子のないようなことはやらない、しっかりとやるんだというような御答弁だったかなと思うんですけれども。やはり、我々親の立場からすると、どういうことをやってくれるのか、市がどういう学力向上に対するビジョンを持っているのかというのは見えないわけですね。その辺のことをもうちょっとしっかりと親御さん、少なくとも親御さんには、そしてそれを見守る地域の人たちにもある程度、その辺もビジョンを明確にして情報提供していっていただきたいなと思いまして、この質問をしたわけでございます。以上で結構です。何かありましたらよろしくお願いします。

【川邊重彦教育長】 学力対策については、これまでも申し上げましたように、何としてもきめ細かな、30名や35人、今、平均は小学校で31.5人ぐらいですが、それで授業して、はい、わかったかというふうにはなかなかいかないわけでありまして、TTで1つのクラスをきめ細かに子どもの学習状況をチェックしたり、支援したり、質問しやすくしたりするやり方をしてみたり、2クラスを3分割したり、3クラスを5分割して習熟度別も含めた少人数指導をするとかということを、都の配置だけではとてもとても足りないわけでありまして、市独自の予算で4,800時間の非常勤講師を予算をいただいてやり、本当に生きる事例をつくっていかなきゃいけないという、そういうことで現在努力しているところであります。
 絶対評価につきましても、武教研の機関で評価の事例研修、同じ教科書を使って、大体同じ計画でやっておりますから、その評価の積み上げなり評価計画なりをどうしているのかということを、昨年も1年間研究し、小さな冊子ですが、冊子にまとめるとか。先ほどの学力調査にしても、武教研の各部会から先進的な力のある先生に各教科ごとに出ていただいて、分析していただいて、その経過を通して、また自覚を持って学校で努力していただく。そういうことを中心に教師を磨く、そして学力調査もやることはやる。そして、少人数、TT等を含めたきめ細やかな授業をやる。そして、授業本体自身をやる力をつける、こういうことで進めているところでございます。

【島崎義司】 やっていますから、御安心くださいと、率直にいえばそういう御答弁だったかと思うんですけれども、それが親の立場からすると検証するすべがないわけです、今。そのTTの成果がどのように上がっているのかというのは、教師とか校長先生とのディスカッションの中で、それは検証されているんでしょうけれども、その辺が親の立場からすると伝わってこないと。デジタル化というか、数字化はできないのかもしれないんですけれども、こういったことをやっています、要するに情報公開ですね。その辺をもうちょっと考えていただければと思います。以上、意見です。

【川邊重彦教育長】 先ほどの悉皆学力調査につきましては、学校へ戻しましたものを、学校ではぜひ学校としての分析をしていただいて、自分の学校の、小学校であれば小学校4年生、中学校1年生、昨年度の学年でありますが、その学習の達成の状況はどうかということを、保護者会、PTAの方々、あるいは開かれた学校づくり協議会でもぜひ具体的に説明をお願いしたい、こういうことでお願いしておりますので、現在、まだ学校へ行ったばかりでありますから、この夏休みあたりが学校で整理する時期かなと、こういうふうに思って、できるだけ御期待に添えるような方向で努力していきたい。

 

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