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平成15年 9月 2日 第3回定例会本会議 一般質問
『子どもの安全と街の治安対策』について
~信頼される地域防衛システムの構築に向けて~

 

▽ ホワイトイーグル実施の成果と今後の充実について
(1) ホワイトイーグル捕捉の防犯情報、警察等との連絡及び対応は?
(2) 不審な出来事の情報の行政機関への連絡システム構築と地域巡回の強化を!
(3) 安全に関する市民への情報提供、市ホームページや電話・FAXなどの活用を!
▽ 防犯カメラの積極的な活用と設置の推進について
(4) 公立・私立の子ども関連施設への防犯カメラ設置の現状は?
(5) 防犯カメラ設置の公共的施設及び民間施設との連携は?
(6) 防犯カメラを今後設置すべき場所の認識と、他自治体での設置効果の研究は?
(7) 防犯カメラ設置・運用基準をつくって公正使用体制を確立し、犯罪抑止に防犯カメラを積極活用すべき!

 

【島崎義司】 近づく七夕の願いごとを聞かれて、仮面ライダーになりたいと通っている幼稚園の先生に無邪気に話していた4歳の男の子。7月1日火曜日、もう少しすると一家が長崎に引っ越してきてから初めての夏休み。夕涼みがてらだったのでしょうか、長崎市三芳町の大型家電量販店に幼い兄弟を連れて買い物に出かけた若い夫婦。それは、どこにでもある日常の風景、家族の幸せで楽しいひとときのはずでした。午後7時ごろ、テレビゲームコーナーに行ってくると言って親のそばを離れていった、その男の子が、ゲームコーナー周辺からいなくなっていることに両親が気づいたのは約20分後でした。日本じゅうを震撼させた長崎男児誘拐殺人事件は、このどこにでもある、そしてちょっと目を離したすきに子どもを見失ってしまうという、子を持つ親ならだれしもが経験のある日常の一瞬の中で起きた衝撃的な事件でした。
 両親は、店員らとともに店内を探しましたが、見つからず、110番へ通報。長崎県警浦上署は、署員20名を動員して、男の子がいなくなった家電量販店の近くを流れる浦上川や店舗と自宅の間などを捜索しましたが、その近辺で見つけることはできませんでした。明けて2日午前9時45分ごろ、家電量販から南に約4キロ離れている同市内のパーキングビルと、その敷地境の壁の間に男児が頭から血を流して倒れているのをビルの従業員が見つけ、110番通報。男児は全裸で、既に死亡していましたが、その男児が前夜に三芳町の家電量販店から行方不明になっていた男の子、駿ちゃんだったことが判明したのは間もなくのことでした。同日午後、長崎県警は現場や遺体の状況などから誘拐殺人事件と断定、長崎署に捜査本部を設置、捜査員120人態勢で本格的な捜査を始めました。
 時間の経過とともに、事件の詳しい状況がニュースなどによって克明に伝えられ、同事件が多くの買い物客でにぎわう家電量販店で、わずかなすきに男の子を連れ去り、パーキングビルとはいえ、多くの人が行き交うまちの中心地で衣服を脱がし、ためらいもなく傷つけ、ビルの最上階から突き落とすという、極めて残虐で猟奇的な犯行だったことが明らかになりました。その後、駿ちゃんが連れ去られた家電量販店から約1キロ離れた別の大型商業施設では、ことし4月26日午後3時半ごろ、4歳の男児が男に駐車場に連れていかれ、突き飛ばされて左あごに打撲傷を負うという事件があり、同施設では翌27日の午後2時ごろにも、両親と買い物に来ていた3歳の男児が、目を離した5分ほどの間に2階の遊技コーナーからいなくなり、5階のエレベーターホールで全裸で泣いているのが見つかり、衣服は建物脇の路上に放置されていたという、子どもは無事だったものの、今回と酷似した事件が連続して発生していたことがわかり、捜査本部は、男児を裸にする手口や大型店を選んでいるなどの共通点があることから、防犯ビデオの録画テープの提出を受けて、男の割り出しを進めていました。
 5日、遺体発見現場にほど近い長崎浜市商店街振興組合が、捜査本部へ7月3日に任意で提出していた1日午後7時から11時までの防犯カメラのビデオ映像を解析した結果、駿ちゃんと見られる子どもと若い男が手をつないで歩いている姿が映っており、これをきっかけに事件は解明へと動き出しました。そして、9日午前、捜査本部は商店街の防犯ビデオに映っていた男の白い半袖シャツ、黒ズボン姿、白っぽい靴、シャツの胸のマークなどから市内の中学校の制服を特定、推定身長や体重も割り出し、顔の輪郭などとともに、現場に残された靴跡などの情況証拠をもとに、同中学校の男子生徒を事情聴取。その日の午後、この生徒が犯行を認めたことで、この事件が中学1年生、12歳の少年の凶行であったことが明らかになった衝撃的な事件でありました。
 駿ちゃんの御冥福を心からお祈りすると同時に、私はこのような事件を起こさせない抑止力のある地域社会システムを武蔵野市でも構築していかなければならないと実感いたしました。
 そこで、今回は、子どもの安全と街の治安対策と題して、本市における防犯、安全対策等について何点か質問していきたいと思います。

▽ ホワイトイーグル実施の成果と今後の充実について

 平成13年6月に発生した大阪教育大附属池田小学校での校内児童無差別殺傷事件以来、学校の安全対策が叫ばれ、また近年の殺人、放火などの凶悪犯罪や路上強盗、ひったくり等の街頭犯罪、ピッキング等による侵入窃盗及び強盗犯罪などの急激な増加を受けて、本市では昨年6月の定例会で武蔵野市生活安全条例を制定、同11月から2台のパトロールカー、ホワイトイーグルによって子ども関係施設や福祉施設を重点に市内の巡回を実施してもらい、地域に一定の安心感をもたらしていただいております。

(1)ホワイトイーグル捕捉の防犯情報、警察等との連絡及び対応は?

 そこで、初めに、実施から間もなく1年が経過するこの機会に、ホワイトイーグルの実施の成果を踏まえて、要望を含め、質問したいと思います。私がことし8月中旬の時点で防災安全課に確認したところ、ホワイトイーグルがパトロール中に不審者発生の情報を得て特別警戒した事案は約60件、うち約半数がわいせつ行為あるいは公然わいせつ事案だったとお聞きしております。今回の長崎の事件を考えあわせると、背筋の寒い思いがいたしますが、幸い大事に至っていないのは、パトロールによる抑止力が一つの大きな効果となっているものと考えます。
 ただ、私のところにも、何時間あるいは何日か経過してからということが多いのですが、地域の父兄からその種の情報が入り、パトロールの強化を求める声も聞こえてきております。もちろん、防犯や犯罪等への対応は、第一義的には警察の仕事であり、東京都でも8月11日に警察庁や総務省、財務省などに向けて警察官の増員等に関する緊急提案要求を発表すると同時に、事務に忙殺される警察官を本来の治安維持の任務に当たらせるべく、都の職員を1,000人規模で警視庁及び各警察署に派遣して事務を助けるという手法で、昨今の重大事件増加に対応する治安回復に本腰を入れて取り組み始めており、これによって地域の警察署や交番の充実、本職の警官によるパトロールの強化などにも期待を持ちたいところではありますが、本市独自の地域防衛システムの一環として効果を上げているホワイトイーグルの役割にも注目すべきものがあり、今後の充実が望まれているとも考えます。
 そこで、まず1点目として、現在ホワイトイーグルが捕捉した不審者など、防犯に関する情報について、警察等との連絡や、その後の対応はどのようになされているのでしょうか、お伺いしたいと思います。

(2)不審な出来事の情報の行政機関への連絡システム構築と地域巡回の強化を!

 2点目として、市民が警察に通報するまでとは感じない不審な出来事でも、気軽にその情報を行政機関へと伝えられるシステムをつくるべきと考えます。市のホームページ、メールや電話、ファクスなどによる情報収集機能の整備と同時に、視覚に訴える抑止力という意味では、さきにも挙げたとおり、ホワイトイーグルのパトロール強化は有効な手段と考えます。今後の防犯に関する情報収集機能の整備や地域巡回の強化をどのようにお考えでしょうか、御見解を伺いたいと思います。

(3)安全に関する市民への情報提供、市ホームページや電話・FAXなどの活用を!

 3点目として、先ほども申し上げましたが、私のような、ある意味では地域の情報を仕事とする市議会議員という立場でありながら、自分の住む地域で起こった不審者の情報等を何時間、または何日かたってから地域の方から聞く。あるいは、その日時、場所などから、自分の子どもにも近かったことなのに、今回この質問のために調べるまで、その情報を全く知らなかったなどということもあり、議員として、親として、情報に対するもどかしさも感じております。情報がひとり歩きして、混乱、パニックを引き起こすようなことがあってはいけませんが、そのような情報を市民が正確に判断し、安全への自己対処を常に念頭に置くという意味でも、地域への適宜適切な情報提供は必要と考えます。防犯に関する情報提供を市のホームページの地域情報システムなどの中に位置づけると同時に、電話やファクスなどでの情報提供も可能かと思いますが、市内で起きた防犯に関する情報などの市民への提供を市はどう考えているのでしょうか、今後どうしていくべきとお考えでしょうか、お伺いいたします。

▽ 防犯カメラの積極的な活用と設置の推進について

 次に、私が今回の質問の前段に、さきの長崎での事件の経過を時系列に、多少しつこいぐらいに申し上げたのは、防犯カメラが事件解明に果たした役割の大きさを感じたとともに、その解明に至るプロセスの中で、日ごろ国民監視などという論調で否定的にとらえていたような報道機関が、期せずしてクローズアップさせた防犯カメラの威力が、この種の潜在的犯罪者への抑止力として、今後極めて効果があると確信したからであります。長崎での事件解明のきっかけとなった長崎浜市商店街振興組合の防犯カメラ、あんしんカメラ君は、商店街で昨年暮れごろから多発していた落書きやシャッターの破壊などの被害を防ぐとともに、たばこのポイ捨てなどのいたずら行為を減らすため、ことし6月5日までに約360メートルのアーケードの柱に計18台を設置したもので、防犯カメラはアーケード全域をほぼカバーし、24時間往来を録画し、映像は同連合会事務所のパソコンで管理するものの、個人のプライバシーに配慮してモニターは見ず、事件があったときだけ録画した映像を確認し、被害届を警察に出す場合、参考資料として映像を提出することになっていたとのことでした。また、9日間を過ぎると、画像は自動的に消えるようにプログラムされているそうです。なお、事件前、6月10日の新聞記事によると、浜市商店連合会の副会長は、カメラ設置の目的は、犯人探しというより、安全で安心して買い物ができる商店街を守ること。プライバシーの問題に配慮しながら、慎重に運用していくと話していたそうであります。
 そのほかにも、7月24日の夜の渋谷で次々に5人に切りつけた連続通り魔事件が、発生から2週間で急転直下解決したのは、コンビニ店の防犯カメラの写真公開によるものでした。
 防犯カメラというと、わざと監視カメラと言いかえて、その使用目的を歪曲させて喧伝し、やれ監視社会だの、プライバシーの侵害だ、肖像権の侵害だのと負のイメージばかりを強調する人たちがいますが、読売新聞が長崎の事件前であることし2月の時点で実施した治安に関する全国世論調査では、犯罪防止のために繁華街や商店街に防犯カメラを設置することについて、88%が容認しているというデータが出ておりました。また、お隣の杉並区では、新宿・歌舞伎町が昨年2月に設置した防犯カメラによる効果で、路上強盗やひったくりなど、街頭犯罪が14.5%も減少したと言われる事実や、長崎での事件解明を挙げて、防犯カメラの有用性、有効性を認め、プライバシー保護への配慮も考慮する立場で、カメラ設置及び利用基準をつくるための専門家会議を7月に設置し、区民からの意見募集やアンケートなども実施するなど、冷静な議論の中で安全のための防犯カメラ設置に向けた独自のルールづくりを始めているとも聞いております。
 警視庁がまとめた刑法犯罪の統計によると、平成14年中の多摩地区の刑法犯発生件数のうち、JR中央線でつながり、武蔵野市と同じく東京の代表的繁華街を持つ商業地域で、武蔵野市よりも人口が約3万8,000人多い立川市や、武蔵野市の約4倍以上の人口を擁する八王子市と比較してみると、刑法犯全体の発生件数では、武蔵野市5,151件、立川市4,451件、八王子市1万426件。平成15年上半期6月末までの統計では、同じく武蔵野市1,974件、立川市2,189件、八王子市4,750件となっており、また時間の関係で犯罪別発生件数の細かい数字は省略いたしますが、武蔵野市では全体として強盗などの凶悪犯罪、暴行障害などの粗暴犯や車上ねらいなどは比較的少ないものの、その他の刑法犯である侵入窃盗、空き巣ねらい、ひったくり、乗り物窃盗、置き引き、万引きは高い数値を示しており、これらのことから、本市における犯罪傾向や人口に比して、本市の犯罪発生率が高いことなどがうかがえます。しかし、都内全体としての刑法犯発生件数は、平成15年上半期の時点で前年同期比マイナス1,658件と、若干減少傾向を示し、一方、検挙数は前年同期比プラス3,022件となっており、これも歌舞伎町など、各地での防犯カメラの設置がもたらした事件解決及び犯罪抑止効果と見ることができます。
 そのような状況の中で、ことし6月24日に開かれた都議会の定例会で、石原知事が所信表明演説の政策のトップ項目として挙げた治安の回復への取り組みの中で、地域で犯罪を抑止する重要性を強調し、地域と自治体、民間企業などが力をあわせて安全なまちを実現するための安全・安心まちづくり条例を制定し、具体的に犯罪の起こりにくい、暗がりの少ない地域づくり、街頭緊急通報システム、スーパー防犯灯や防犯カメラなどの普及を図ることは、妥当かつ適切な取り組みと考えます。
 そこで、本市での防犯カメラについての考え方を何点かお伺いしたいと思います。

(4)公立・私立の子ども関連施設への防犯カメラ設置の現状は?

 1点目として、本市ではイースト吉祥寺や自転車駐輪場、幾つかの小学校や保育園などに防犯カメラが設置されているのは承知しておりますが、公立、私立を含めて、学校や保育園、幼稚園、0123や児童館など、子ども関連施設への防犯カメラの設置はどのような状況になっているのでしょうか。また、未設置の場合、今後についてはどのようにお考えでしょうか。

(5)防犯カメラ設置の公共的施設及び民間施設との連携は?

 2点目として、近年の犯罪の急増、凶悪化という治安の悪化を背景に、防犯カメラ設置の動きは、自治体などの行政機関だけではなく、駅、高速道路のサービスエリア、各地の商店街などの公共的な場で活発に導入に向けた検討が伝えられておりますが、本市における不特定多数が出入り、もしくは往来する場所への民間の防犯カメラ設置の状況の把握はなされているのでしょうか。また、子どもの安全という意味合いで、そのような施設との連携などはなされているのでしょうか、伺いたいと存じます。

(6)防犯カメラを今後設置すべき場所の認識と、他自治体での設置効果の研究は?

 3点目として、申し上げてきたような本市の刑法犯罪の現況を考えあわせた場合、市としては防犯カメラを公共及び公共的民間が設置すべき場所など、今後の必要性を総合的にどのように認識しているのでしょうか。また、他の自治体での公共及び公共的場所への設置効果の研究などはされているのでしょうか、お伺いしたいと思います。

(7)防犯カメラ設置・運用基準をつくって公正使用体制を確立し、犯罪抑止に防犯カメラを積極活用すべき!

 4点目として、いずれにしても、今後、防犯カメラ設置の動きは、官民ともにふえていくものと考えられます。本市としても、関係機関、団体などと諮って、行政主体でプライバシーなどにも配慮した運用基準を設け、不公正な使用のチェック体制を整えて、防犯カメラの積極的な導入、活用を推進すべきと思いますが、御見解をお伺いいたします。
 悪化する治安、横行する凶悪犯罪、行政のみならず、市民も主体的に自己防衛しなければならない時代がやってまいりました。感情論やスローガンだけでは、自分たちの子どもやまちは守れません。より安心できる武蔵野市の安全システムの構築を目指して、私の一般質問とさせていただきます。具体的かつ前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。


【土屋正忠市長】 防犯的な観点から何点かの御質問をいただきましたので、逐次お答え申し上げたいと存じます。
 ホワイトイーグルが運用開始して9ヶ月でありますが、その間にさきの質問者にも御答弁申し上げまたように、59件の具体的な事件に遭遇いたしました。これらの大半はわいせつ行為等でございますが、おかげさまで深刻なわいせつ事件に発展しないで推移しているということで、一定のホワイトイーグルの役割が示されているものと、このように考えております。
 どのような情報になるかというと、不審者情報を受けますと、まず警察への通報の有無を確認します。通報していない場合には、すぐ通報するように伝えて、今後、情報を得た段階で軽微なものであっても、即事通報をお願いしております。ホワイトイーグル自身は、翌日から事案のあった同時刻に数日訪問し、警戒を強めている次第でございますが、また庁内においては連絡体制をつくり、運用しているわけであります。情報共有部分は、教育委員会、子ども家庭部、市民活動センター、防災安全課であり、ここから学校、保育園、コミュニティセンターに情報を伝えているところでございます。
 一般市民に広く、PTAも含めて、どのように情報を開示していくかということについては、今までリアルタイムの情報通信がなかなか整備されてこなかったということもありますが、今後、例えば無線系の携帯電話だとか、あるいは自宅のパソコンだとか、有線系のパソコンだとか、いろいろな、いわゆるリアルタイムの情報系が発達してまいりましたので、これらの活用を含めて、今後研究していきたいと、かように考えております。

 次に、防犯カメラについてでございますけれども、防犯カメラについてはいろいろな可能性と、同時に問題点と武蔵野市の対応があります。実は、武蔵野市はこのような防犯カメラが議論になるはるか前にイースト吉祥寺の一角に防犯カメラを設置し、それを運営してきた実績があります。防犯対策テレビカメラ装置運用に関する協定書というのが武蔵野市と武蔵野警察署に結ばれておりまして、カメラ架設場所3カ所、モニターテレビ設置場所1カ所、いずれもカメラ設置場所は吉祥寺本町1丁目の18とか17とか23とかという、いわゆる旧近鉄裏、今のイースト吉祥寺の一角であります。モニターテレビの設置箇所は、武蔵野警察署の吉祥寺駅前派出所内と、こうなっておりまして、云々となっておりまして、何と昭和53年3月8日、甲が武蔵野市長後藤喜八郎、乙が警視庁武蔵野警察署長、こうなっているわけであります。
 実は、あの地域に、今で言う指定暴力団ですけれども、それが進出してきたのは昭和51年のことでありました。これらに対して、繰り返し繰り返し市民運動が起こり、環境浄化推進市民委員会が設置され、私が初代の事務局長になって、当時、市会議員でございましたが、ストリップ劇場もつぶしというか、そういうことに努力した経過がございます。こういう中から、あそこの常時警備を行おうということがあって、当時、何とこのカメラの予算は教育委員会社会教育費の予算で設置したわけでございますけれども、たしか当時650万円と記憶いたしておりますが。そのような格好で、昭和53年、今から25年前に設置したわけであります。これは、有楽町に次いで、全都で2番目の防犯カメラであります。
 実は、そのとき、25年前のそういう時代でございましたから、かんかんがくがく議論がありまして、プライバシーはどうするんだというような議論が、今日のような議論がありました。それに対して、プライバシーといっても、道路を歩いているのに、公道を歩いているのにプライバシーがあるのかと。個人の家をのぞいたならプライバシーだけれども、公道というのは自由往来の原則だから、果たしてプライバシーという概念が適用されるのかどうかというようなことが議論されました。さらに、肖像権ということを主張する人がいて、肖像権の侵害じゃないかと。これは、憲法違反だというような議論も一部でなされました。それに対して、肖像権というのは、一番最初に肖像権を争ったのはマリリン・モンローなんかでありますけれども、一定の肖像を活用し、それを商業的に活用し、利益を得るという、そういうことを肖像権というところから出発したわけですが、今日の現代的な意味の肖像権というのは一体何なんだという議論も当時いたしました。つまり、プライバシーだとか肖像権だとかという議論をもう25年前に武蔵野市はしているわけでありますが、そうはいっても、一般的に防犯カメラで監視されているということは、決して愉快なことではない、気持ちのいいことではありませんので、その後ずっと今日まで来たわけであります。
 しかし、当時は高かった通信機器も非常に格安になってまいりましたし、今、大体、防犯カメラと言われるものの通常の値段というのは、1基十数万円だと思います。ちょっと今、手元に資料がありませんが、10万円台で1台の端末ができるだろうと思っております。このように変わってまいりましたので、防犯カメラということと、それを常時監視するという行為、そういう行為を切り離していろいろ議論しておく議論が必要があるんじゃないかという、こういうふうな時代とともに考え方も変わってまいりました。
 一番防犯カメラが効果があったと言われている海外の事例が、イギリスの北アイルランドのベルファストで起こったIRAの爆弾テロ事件でありました。これはNHKなどでも特集をやりましたが、いわゆるIRAの北アイルランド独立運動のテロが執拗に繰り返されたわけでありますが、ベルファストという場所で市民の中にもぐったテロ犯人が爆弾を仕掛けていくというのが映像ではっきりと映っていたということで、これをきっかけにイギリスでも、プライバシーというか、監視されていると、常時監視されているということのデメリットと、監視されているということと犯罪抑止のメリットと、それをどう考えるかと、こういうことになってきたというふうに流れとしては考えているところでございます。
 それでは、日本としてどうするのかということでございますけれども、最近になって、先ほど機器類が安く購入されるということもあり、これらを活用して防犯カメラとして活用しようという動きが非常に出てきたわけであります。これはこれで一つの動きなんですが、その際、最も必然性があったのは歌舞伎町であります。歌舞伎町は御承知のとおり、日本の広域暴力団でさえ入れないと。青竜刀の世界だと言われたようなところでありますし、これはもう警察関係では常識でありますけれども、歌舞伎町をパトロールする場合には一個小隊、6人から十数人の集団でもって制服の警察官がパトロールすると、こういうことがあって、何と新宿警察署は一つの警察署では最大クラスの六百数十人の警察官を置き、あそこの警察署長は警視正であります。警視正というと、小さな県の県警本部長でありますけれども、これぐらいの重点地域になったわけであります。ですから、日本で一番危ないようなところだから、防犯カメラをやってもだれも、いわゆるさっきの比較考量からいったって全く問題にならない。よかったということになるわけでございます。
 それでは、そうじゃないレベルのところで比較考量する場合にどうなるかといったような問題があります。そこで、とはいえ、先ほどのような御指摘のあった長崎のような事件が起こりますと、犯罪者を直ちに摘発するという意味において非常に有効である。そのことが、やがて犯罪抑止につながるというふうなことも考えられ、そこの微妙なバランスがこれから恐らく問題になってくるだろうと、こんなふうに考えているところであります。
 そういうことがありますが、一番問題になるのは吉祥寺のような繁華街であります。繁華街は、ある程度店を閉めた後、シャッターをおろすわけでありますが、その後で軽微な犯罪と考えられているいたずら書きのようなもの、こういうものとベルファストの事例とは比較にならないわけでありますが、こういうシャッターを閉めた後の犯罪抑止には非常に役に立つ、こういうことがあるわけでございますから、これらについては十分議論していきたいというふうに考えております。ただ、既に自主的に商店街等でもって、例えばダイヤ街でありますけれども、ダイヤ街は十数台の防犯カメラを取りつけました。これによっての経緯なども見たいと思いますけれども、サンロードもアーケードがかけ変わった後は、十数台の防犯カメラをつけるという予定になっているようでありまして、やがてこういうことが普遍化していきますと、一定の地域ルールのようなものを、商店街任せではなくて、武蔵野市としても主導してつくっていった方がいいのかなという考え方もあります。これらについては、さきの御質問でもお答え申し上げましたように、落書き防止の協議会等もできつつありますので、これらとよく協議しながら考えていきたいと、こんなふうに考えているところであります。
 民間防犯カメラ等についても同様でございます。いずれにせよ、防犯カメラが一定の抑止力を持つことはわかっておりますので、これからも観念論ではなくて、原則論をきちっと議論した上で、その上で具体的にどうするかと、こういうことをやっていく必要があると、このように考えているところであります。
 なお、一番最初にいわゆるイースト吉祥寺の近鉄のところにこのカメラをやったときは、私もカメラをやってくれというふうに働きかけた方でございますが、当時の署長さんは藤下という署長さんでございましたが、藤下という署長さんからアドバイスを受けて、有楽町の監視カメラを見に行ったこともあります。いずれにせよ、仮に防犯カメラということだとしても、監視的機能があるから防犯カメラなんでありますから、防犯カメラと言おうと、監視カメラと言おうと、そう変わらないんですけれども、防犯のための監視カメラなんですから、両方とも当たっているわけでございますが、よく今後とも運用等については研究してみたいと、このように考えております。
 なお、商店街の問題としては、常時監視されているというようなニュアンスにとられるような商業環境としていいか悪いか、お客さんが喜ぶか喜ばないかといったような問題もあります。ですから、その辺のところは、防犯のための監視カメラだけれども、ニュアンスとして安全なまちをつくりましょう、いつでも安心して来れますよといって、ふだんは監視しているわけじゃありませんということも何らかの形でアピールしていかないと、難しい側面もあると、このように考えているところでございます。
 なお、犯罪がふえているということについてどう考えるかということでございますが、今ちょっと手元に数字は持っておりませんが、一定の犯罪件数が全部データとして出ております。最近、特徴的なのは、警視庁が地区別の犯罪マップをコンピューターに落として公開したことであります。今まで、そういうこと、ほとんどなかったですね。そういうことは、なるたけ教えないように、教えないようにと警視庁はしておりました。そこまで言っていいかどうかわかりませんけれども、余り発表しませんでした。今度、積極的に発表するということになり、これはこれで積極的な情報公開でいいと、このように考えております。
 ただ、武蔵野市は吉祥寺という繁華街を抱えているだけに犯罪も多いんですけれども、犯罪のかなりの部分を占めるのは自転車盗であります。自転車の窃盗であります。そのほかいろいろあるわけでございますが、それから本の万引きとか、いろいろなことがあります。自転車盗と万引き、こういうことがかなりのあれで、凶悪犯は比較的少ないわけでありますが、凶悪犯罪のないまち、犯罪が少しでも少ないまちの方向に努力していきたいと思っております。
 なお、武蔵野市の子どもが、青少年が犯罪者として摘発される、こういうケースがございます。これは、正確に言うと、非行少年の地区別検挙、補導及び地区内居住状況でございますけれども、武蔵野市は幸いなことに1,000分の4.99、つまり1,000人に約5人が非行少年。その非行少年の中にはいろいろあります。例えば、非行少年の中にはいろいろタイプがあるんですけれども、窃盗だとか、そういうのが多いんですけれども。ですから、そういう意味では、三多摩の中で武蔵野市の青少年が一番犯罪の発生率が低いということで、これは誇るべき数字ではないかと思います。ちなみに高いところもありますが、高いところは申し上げないことにいたします。

【川邊重彦教育長】 カメラ関係で設置の状況はどうなっているか、また未設置の場合は今後どう考えているかということでありますが、カメラの設置状況でございますが、まず千川小学校においては昇降口、体育館など17台のカメラを設置しておりまして、校務センターなどの3カ所でモニターをしております。また、現在、仮設校舎でありますが、大野田小学校においては校庭など4カ所にカメラを設置し、職員室でモニターをしているところでございます。なお、大野田の新しい校舎には、現在11カ所のカメラを2カ所でモニターするという予定でございます。
 現在、これらの監視カメラ、防犯カメラというんでしょうか、設置している学校は以上の2校でございますけれども、平成13年6月8日の池田小事件以来、市全体の安全対策の中で学校関係もボタン1つで警察に緊急通報がなされるシステム、これを全小・中学校、幼稚園も含めて学校110番を設置したところであります。また、小学校の普通教室及び特別教室331カ所に非常ベルを設置して、教室に異常が発生した場合、学校内にすぐ知らせる体制づくりも行ったところであります。平成13年9月半ばから学校安全監視員を配置して、翌平成14年4月には全小・中学校に嘱託の用務員2名を配置したわけでありますが、学校用務に加えて安全監視の役割、あるいは巡視の役割も果たしているわけであります。玄関のインターホンの設置、門扉、昇降口のカイシュウ、ホワイトイーグルによる巡回など、総合的な安全確保に努めているところでございますが、これらが総合的な安全対策の状況を見ながら、カメラについてはどういうふうにするのか、運用の方法や費用対効果も含めて検討は進めていきたいというふうに思っております。
 なお、私立の状況はわかりませんけれども、110番通報は全校に配置されているわけであります。なお、市及び教育委員会で把握した不審情報については、市立学校だけではなくて、私立の学校にも即座に通報、連絡を差し上げておりますので、大変感謝もされているところでございますが、今後とも最新の注意を払ってまいりたいというふうに考えております。

【土屋正忠市長】 ちょっと答弁漏れがありましたので、申し上げておきますが、市立保育園についてはカメラ、モニター、全部設置済みでございます。民間保育園並びに私立の幼稚園については、カメラが設置されているところもあればないところもあるという、ばらばらな状態です。なお、学童クラブ、地域子ども館、児童館等については、これは施設が小さいのでつけておりません。0123などについては、児童館などについては、入口が事務所でございますので、そこで十分モニターできると、このように考えております。

【島崎義司】 御答弁ありがとうございました。
 まず、大きな1点目のホワイトイーグルなんですけれども、これにつきましては、先ほどの小林議員等からの御質問でも前向きな御答弁があったやに思っておりますので、この辺、しっかりと進めていただきたいのと同時に、情報関連の各課としっかりと情報を共有していただいて、適宜適切に市民に提供していただく体制をぜひともとっていただきたい。その際には、先ほど市長がおっしゃっていたようなさまざまな情報、伝達媒体を活用して、またホームページ等も活用してお願いしたいと思っております。これは要望でございます。
 大きな2点目の防犯カメラについてなんですけれども、質問の1の公立、私立を含めて、子どもに関連する施設の防犯カメラの状況をお聞きいたしまして、いろいろ教えていただきました。ただ、やはり思うのは、小学校の場合、学校によって、ちょっと対応がまちまちであると。この辺をしっかりと子ども関連施設については、統一した設置基準とか、そういったものをつくっていただきたいなと願っているわけでございますので、ひとつその辺を前向きに今後、御検討いただければと思います。
 それと、市長からいろいろ過去の経緯も含めて教えていただきました。本当にありがとうございました。私の知らないようなこともいろいろとお述べいただきました。平成13年3月に財団法人の都市防犯研究センターというところが出したコミュニティセキュリティーカメラシステムに関する調査研究報告書、この中にも実は本市の取り組みを研究したということが述べられておりまして、この平成13年3月の時点で行政が運営主体となって防犯カメラを設置していたのは、当時といっても2年前なんですけれども、武蔵野市と松本市だけということで。先ほどの有楽町の件は、多分違うところが主体となってやられていたと思うんですが、それほどまでに大議論を重ねた結果、こういう勇気ある設置をされたということで、本当に今になってですけれども、敬意を表すると同時に、これらを近年の多発する犯罪をしっかりと受けとめながら、そしてまた、武蔵野市で起こっている犯罪の特色もしっかりと分析しながら、本市に合った防犯カメラの活用等を考えていっていただければと思います。
 以上です。よろしくお願いします。

 

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