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討論

 

平成14年12月18日 第4回定例会本会議より

「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合のすすめるエコセメント事業
凍結に関する意見書」への反対討論

 

提出された「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合のすすめるエコセメント事業凍結に関する意見書」

 現在、三多摩地域廃棄物広域処分組合は、焼却灰を利用したエコセメント事業計画を推進しており、来年2月にも、本体工事等建設費予算の審議が処分組合議会で予定されています。              、
 現在のゴミ焼却灰の中には、人体や環境にとって有害なダイオキシン、鉛、カドミウム、水銀等が含まれており、エコセメントの安全性がいまだ保証されたと断定することはできません。
 また、エコセメント事業は、本体工事、造成費を合わせれば300健円を超える巨額な建設費と毎年の維持費がかかり、構成自治体には、大幅な負担金の増加となるにもかかわらず、試算すら示されていないのは、処分組合として説明責任を果たしていないと言わざるを得ません。
 さらに、通常のセメントより高額のエコセメントの販路を自治体に求めれば、公共事業のコスト高を招くものとなります。
 何より、一定量の焼却灰を必要とするエコセメントの巨大工場建設を優先するよりも、ゴミの減量や無害化を目指す自治体や市民のさまざまな取り組みや施策の検討にこそ処分組合はカを入れるべきと考えます。
 よって、武蔵野市議会は処分組合に対し、エコセメント事業の凍結を要請します。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成14年12月  日

東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合管理者  あて

 

「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合のすすめるエコセメント事業凍結に関する意見書」への反対討論

島崎義司

 自由民主クラブを代表して、提出された「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合のすすめるエコセメント事業凍結に関する意見書」への反対討論をいたします。

 まず、意見書提出者は基本的なことがわかっていないか、あえて目をそむけていると思わざるを得ませんので、念のため申し上げておきます。
 処分組合が、そもそもなぜ、焼却残渣等のエコセメント化施設を建設するに至ったのかということであります。

 処分組合設立の経緯を簡単に辿ると、昭和30年代前半までの多摩地域における廃棄物処分は、台所ごみなどは養豚業者間で大きな需要があったし、焼却灰などは付近の窪地に埋める程度で十分処理されていました。

 しかし、昭和40年代の高度経済成長は市民の生活様式を一変させ、廃棄物は倍増。更に、プラスチックなどの焼却不適ごみやテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの粗大ごみを大量に生み、廃棄物の質的変化をもたらしたのであります。

 それまで、多摩地域では、廃棄物処理の多くを、羽村・瑞穂の「砂利穴」に依存していましたが、昭和30年代後半の人口急増とともに抜本的な解決を迫られることになり、昭和48年に組織された「廃棄物終末処理 対策協議会」、昭和51年の「東京都市廃棄物処分地管理組合」、そして昭和55年11月1日には「東京都三多摩地域廃棄物 広域処分組合」が設立され、三多摩での廃棄物の責任ある共同処理体制は確立していったのであります。

 処分組合が、昭和59年4月1日から供用を開始した「谷戸沢処分場」は、平成10年4月に埋立てが終了。現在供用している「二ツ塚処分場」は同年から埋立てを開始して、平成13年度末までに、すでに全埋立量の約4分の1が埋立てを終了してしまっており、現状のままで埋立処分を続けていくと、平成25年度には二ツ塚処分場は満杯となり、新たな処分場が必要となる訳ですが、三多摩地域内に新たな処分場を確保することが極めて困難であるということは、誰の目にも明らかであります。

 このような現状を踏まえ、処分組合を構成する各市町村では、リサイクルの更なる推進と同時に、家庭ごみの有料化実施による廃棄物の排出抑制に取り組む自治体もあるなど、ゴミの減量化に向けて一層努力を傾けていますし、本市でも、市民の多大な協力を得て、資源物の分別収集・拠点回収、シルバー人材センターによる廃棄物再生、公団桜堤団地へのコンポスト導入による生ゴミの資源化、多量排出事業者には廃棄物再利用計画の提出を求めるなど、さまざまな取り組みをしているのはご承知の通りです。

 このような市民並びに自治体の努力もあり、平成12年度における多摩地域のゴミの全排出量に占める総資源化率は24.7%、全国平均の約2倍と、極めて高いレベルにあります。今後も廃棄物抑制についての、製造者と消費者、そして行政の、更なる努力が必要なことは言うまでもありませんが、しかし、それでも出てくる廃棄物については、責任ある、新たな対応が求められていたのではないでしょうか。

 そのような中で、処分組合が打ち出したのが、焼却灰のエコセメント化計画であります。この焼却灰のエコセメント化については、すでに千葉県でも平成13年度から取り入れて 、現在、世界で唯一、実際に操業している施設、市原市の「市原エコセメント株式会社」があり、私も先日視察してきましたが、エコセメントは、焼却灰や汚泥を原料とし、乾燥処理したあと塩分や金属類など不純物をふるいで除去して石灰石など天然原料を補填調合し、1,350℃以上の高温で焼成してバグフィルターで排ガス処理と重金属など精錬原料を回収し、最終的には石膏を添加してつくるもので、製品的には普通のセメントと同レベルにあります。

 以上の経緯を踏まえながら、本意見書の言う「エコセメント事業凍結を求める理由」に、遂次反論して行きたいと思います。

 まず、意見書では「エコセメントの安全性が保障されたと断定できない」としていますが、これは、何をもって「安全性が確保された」とするのか、ということだろうと思います。これはたびたび行政側からの答弁にもあるとおり、エコセメントは、日本工業規格・JISに定められた製品であり、このJIS化にあたっては、溶出試験で土壌環境基準および水質基準をクリアしているのは当然のことながら、廃棄物学会によっても日・米・欧の各国方法を用いて、酸性雨の影響も考慮した重金属類溶出試験を行い、普通セメントとエコセメントの含有量比較で、種類によっては、エコセメントの方が多く含有しているものもありましたが、全体としてはむしろ普通セメントよりも重金属類の含有量が少なかったという報告書が提出されています。
 含有量が普通セメントよりも多かったものだけをとらえて、「安全性に疑問あり」とする、ごく一部の運動団体もあるようですが、この論理で言えば、現在使われているセメントも試験結果から言うと使用できないということになり、これはいいがかりのたぐいといわざるを得ません。

 つぎに、「エコセメント事業は、建設や維持コストがかかりすぎる」という点ですが、これこそ申し上げてきた、これまでの三多摩のゴミ処理と最終処分の経緯を無視した、極めて近視眼的な、市民をミスリードして政治や選挙運動に利用しようとする、悪意に満ちた議論であると言えます。
 私は、「事業の実施に当たって、経費の縮減を図れ」という議論はあってしかるべきだと思います。しかし、事業を行なえば経費自体がかかるのは当然で、その前に、なぜこの事業を行なうに至ったのかという現状認識が重要なのです。その現状認識とは、先ほど縷々申し上げたとおり、エコセメント事業は、営利目的の事業ではなく、「廃棄物の再資源化」と「二ツ塚処分場の延命化」が主目的であり、たしかに、事業コストは普通のセメントよりも割高にはなりますが、「循環型社会」を構築するための社会的コストと言えるのではないでしょうか。

 なお、膨大な経費の無駄といえば、二ツ塚処分場二期工事のときに、処分場内の土地約461㎡を2,829人で共有して反対するという政治運動のために、平成11年から12年にかけて行なわれた、補償金払い渡しにかかった直接経費約7億円や、その他職員の人件費、工事の遅れによって生じた様々な計画の変更による新たな諸経費などで、三多摩の市民に膨大な損失を結果的に与えたのは、土地共有で反対運動を展開してきた、ここに提出者自身が入っていたか否かは定かではありませんが、反対のための反対運動屋の人たちなのではないでしょうか。

 つぎに、意見書では「負担金増加の試算すら示さず説明責任を果たしていない」ということですが、平成14年7月の「エコセメント事業実施計画」の中に「負担金の考え方及び計算方法」は示されており、建設費並びに事業運営費に関する負担金は、現行の二ツ塚処分場に係る事業費の負担金の考え方と同様、各組織団体別に焼却灰の埋立処分実績重量の比率に基づいて算出し、その計算の基となる施設建設費や事業運営費は概算として示されているので、つまりは、国の補助金額や埋立、処分重量が決まれば、自ずと金額は出てくるわけであります。更に、この「エコセメント事業実施計画」は、処分組合のホームページに全文掲載されており、明確に説明されていると考えるのが妥当であります。

 つぎに、「高額のエコセメントが公共工事のコスト高を招く」という批判ですが、たとえば先ほど例に挙げた市原のエコセメントは、現在、太平洋セメントが全量買い上げて流通させており、普通のセメントと同等の価格で販売され、公共工事への負担増は生じておりません。
これらの状況から見ても、公共工事での使用については積極的に推進すべきで、すでに国や一部自治体でも積極的にエコセメントが使用されており、このようなマテリアルリサイクルの広がりは、更なるごみ減量につながるものと歓迎すべきことなのではないでしょうか。

 最後に、意見書では「処分組合はゴミ減量や無害化を目指す自治体や市民の取組みを検討せよ」と言っておりますが、処分組合は、地方自治法第284条第2項に基づき、「一般廃棄物広域処分場の設置及び管理」を事業目的として設立されたもので、市民の取組みを直接検討・指導するためのものではありません。
 ただ、構成する各市町村に対しては、平成10年に「第2次廃棄物減容化基本計画」を策定して、搬入量の制限値の設定と、資源ごみ収集強化や不燃物の分別徹底の提案、更には、減容化量に応じた負担金の軽減措置なども行なって、ごみ減量とリサイクルの推進を促しているのはご存知の通りでありますが、それでも廃棄物は発生しているのが現実なのであります。

 本意見書の「ゴミの減量や無害化を目指す市民の取組みや施策の検討に力を入れよ」などというような、言葉だけの、対案性の全くない、稚拙とも言える空理空論は、問題解決につながらないばかりか、市民の不安を煽るなど有害とさえ言えるもので、市民に対する責任ある武蔵野市議会の意見書としては、全くふさわしくないものと判断いたします。

 よって、処分組合を構成する本市や三多摩各市、そして市民のこれまでの努力をあたまから否定するような、ゴミ問題を到底まじめに考えているとは思えない、無責任極まりない、本「意見書」には、断じて反対をして、私の反対討論とさせていただきます。

 

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