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討論

 

平成16年 6月29日 第2回定例会本会議より

『弁当も選択できる中学校給食の実施に関する請願』に反対し、
『選択制中学校給食の実施に関する陳情』に意見つきで賛成する討論

 

議員提出された「選択制中学校給食の実施に関する陳情」

 子どもを取り巻く食の環境は、ここ10年間で大きく変わりました。O-157、食品会社の偽装や食中毒事件、狂牛病、遺伝子組みかえ食品、農薬の問題など大きな不安を抱えています。また、偏食や無理なダイエット、ファストフードなど食生活の乱れは、子どもの成長にとって大きな問題となっています。食習慣は、生涯に大きな影響を与えます。 
 私たちは、食に対して不安、危機感を持つ社会状況の中、心身の成長にとって大切な時期である中学生に安全で温かく、栄養のバランスのよい食べ物を食べさせたいと考えています。子どもたちの食生活をより豊かに、安全にしていくためには、家庭と行政のパートナーシップが重要だと思います。
 2002年度から実施された新学習指導要領では、食の教育を積極的に行っていくよう明記してあり、その手本として「給食」が取り上げられています。食の教育で大切なことは、みずからが多くの食材の中からよりよいものを選択できる知識を育てることです。食の教育は、家庭の領域でもありますが、昨今の社会情勢では難しいのが実情です。 
 そこで私たちは、家庭と行政とが子どもの食環境をよりよくしていくために、市立中学校での給食が必要だと考えました。  給食は、混乱する現在の食環境の中にあって、食の理想的なモデルの一つです。理想のモデルが身近にあれば、家庭での食もより豊かになっていくはずです。特に、武蔵野市の小学校給食は、全国に誇れる内容ですから、中学生にも食べさせたいと願っているのです。
 しかし、食物アレルギーの子どももいることや、弁当を望む家庭もあることから、給食と弁当のどちらも選択できる選択制給食が最も現実的だと思います。 
 よって、選択制中学校給食を速やかに実施するよう陳情いたします。

<付された意見>
陳情文中の具体的な要望は別にして、施策のバランスに留意して下記のとおり実施すること。
                    記
1.中学校給食については、現在行われている長期計画策定の過程等で議論をすること。
2.昨今の家庭における食生活の乱れにかんがみ、児童・生徒・保護者に対する食の安全、環境等の教育を積極的に進め  ること。
3.家庭の事情で弁当を持ってくることができない生徒に対して、何らかの措置を早急に行うこと。

 

『弁当も選択できる中学校給食の実施に関する請願』に反対し、
『選択制中学校給食の実施に関する陳情』に意見つきで賛成する討論

島崎義司

 ただいま議題となりました、請受15第1号「弁当も選択できる中学校給食の実施に関する請願」に反対し、陳受15第58号「選択制中学校給食の実施に関する陳情」には意見つきで賛成する立場から、自由民主クラブを代表して、委員長報告に賛成の討論をさせていただきます。

 本市での中学校給食問題については、ほぼ40年間という非常に長いあいだ、教育委員会や市議会で種々の議論が繰り返されてきました。
その過程の中で、平成4年2月、教育委員会より出された「主に、準備や後片付けの時間確保が教育課程全体のゆとりに与える影響、質や量の個人差、家庭の食生活を通じた親子のきずなの重要性、などを理由に『本市においては、教育的見地から、中学校完全給食は実施すべきではない』」という見解は、今回の請願・陳情の審議を通じても、基本的にその姿勢は変わらないということがわかりました。

 私たちは、教育委員会がこのときに出した、教育課程のゆとりや個人差の問題は別として、「弁当がもたらす親子の絆」という考え方には共感できるものがあり、『教育的見地で中学校は家庭からの弁当を基本とする』ということについては、基本的には理解し賛成しております。親が手をかけてつくったものを子どもが食べる。それは、幾多の言葉を費やすよりも深く重い親子の対話になります。考えてみれば、私も六中時代は、たびたび弁当づくりが間に合わず学校に届けにくる母親を恥ずかしく感じながらもありがたく思ったり、厳しくしかられた次の日、朝起きたら父親がつくってくれていてそれがやけにおいしかったり、店仕事で疲れているのか全く手抜きしてあったりと、その時々の家族の情景がいまでも思い浮かびます。

 しかしながら、近年の経済や社会環境の変化は子育てをする家庭生活にも強く影響を及ぼし、何らかの事情で、家庭で作った弁当を持参することが困難な生徒が現実に存在するという事実があります。このことについては、私たちも大きな問題があると考え、以前からその対策を求めていたところです。

 私が委員長を務めさせて頂いた前期の文教委員会では、本陳情等をきっかけとして、多くの委員外議員にもご参加いただいて、教育委員会が否定している完全給食以外での、中学生の昼食環境改善対策の参考として、他の自治体の取り組み、すなわち、立川市での「弁当併用デリバリーランチ方式」や、西東京市と八王子市での「弁当斡旋システム」などについて視察を行ない、給食・昼食対策の需要、コスト面や栄養バランス、生徒間の公平性などについても考察してまいりました。

 私は、この視察や委員会での審議を通して、給食問題については、中学校のみならず、小学校で年間約180日、一食あたり千百数十円もかかるような現在の直営方式は妥当なのか、今後、給食事業そのものに行政はどのように関わっていくべきなのかということと同時に、総合的な観点からの、子どもたちの食のあるべき姿や食教育、食における家庭と学校の役割、行政が本当に補うべき部分はどこなのかなど、根源的な命題にも正面から向き合いつつ、将来を展望した財政的な見地からの検討も含め、さらに長期的な視野で論議を深めていくことが必要であると感じました。

 そこで、これらを勘案しつつ、市民が本当に必要としているものは何なのかということを私たちは真剣に考えた結果、陳受15第58号「選択制中学校給食の実施に関する陳情」については、陳情文中の具体的な要望は別にして、弁当併用の選択制にせよ、本陳情が求める学校給食法に則ったいわゆる「給食」の実施については、現在進められている長期計画策定の過程で、その是非を含めてしっかりと議論すると同時に、孤食、偏食など、昨今の家庭における日常の食生活の乱れに鑑み、児童・生徒・保護者などに対する食の安全、環境等の教育を積極的に進め、また、何らかの事情でやむなく家庭からの弁当持参が困難な生徒に対しては、全中学校における対応の公平性という観点からも、各中学校でのシステム的な対応がなされるよう、早急に、市議会の文教委員会で視察した、他市における弁当斡旋の取り組みの事例を参考にしながら、現在弁当を持たせている保護者の意欲も削ぐことのないよう配慮しつつ、適切な対応を検討して頂き、教育委員会として実施に関する具体的な考えを示して、学校長との協議を進めるようここに改めて要望して、同陳情には委員会で付した「意見つきでの採択」に賛成をし、請受15第1号「弁当も選択できる中学校給食の実施に関する請願」については、その内容に著しい事実誤認があること、すなわち、憲法や教育基本法に「学校給食を受ける権利が保障されている」などとする、明らかに誤った認識や、文教委員会での質疑でも明らかになった、この請願の署名を集めるさいの、PTA活動の一環と誤解されかねない行動、特定政党の政治運動の中での、ビラによる他会派や個人へのいわれなき攻撃など、問題があまりにも多かったことなどから、同請願を「不採択」とする委員長報告に賛成して、自由民主クラブを代表しての討論と致します。

 

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