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討論

 

平成16年12月 6日 第4回定例会本会議より

「武蔵野市第四期基本構想」への賛成討論

島崎義司

 自由民主クラブを代表して、第四期基本構想に、賛成の立場から討論を行います。

 私たち自由民主クラブでは、特別委員会での基本構想及び長期計画(案)の審査に当たり、現在進められている国や東京都の行財政改革や財政再建、地方分権などへの大きなうねりに、今後も市政が的確に対処していけるのか、市民が、日本の現状を含めて市政を的確に把握し、本市の改革すべき課題を認識できるものなのか、まちづくりのハードとソフトにいま何が求められているのか、子どもたちのためにいま何をなすべきなのか、未来への希望を市民に提示することができるものであるのかなど、その他さまざまな観点から今回の審査に参加してまいりました。

 今後、本基本構想及び長期計画を進めていくに当たり、特徴的な何点かの政策を取り上げ、注意していただきたい点、さらに推進していただきたい事項など、意見を申し上げながら、第四期基本構想への賛成の論拠を述べてまいりたいと思います。

 まず、基本構想の前文からですが、「都市の窓を開こう、新しい家族を育てよう、持続可能な社会をつくろう」と述べて、世界的な視野から、市政のみならず日本の課題を見つめ、その解決への基本理念を示されております。

 現在、日本においては、都市と地方が対立的に論じられ、世界においては、民族やそれを背景とする国家間対立という課題を抱えています。私たちは、新たな時代の大きな流れの中で、日本及び日本人として、都市住民として、あらゆる分野で応分の関わりと責任を求められていると考えます。

 その意味では、この前文に、グローバル化が進む時代だからこそ、日本人の、そして武蔵野市民の、良きローカルアイデンティティーを伸張すべきである。そのためには、草の根からの市民交流を図り、それを支える社会の最小単位としての家庭・家族の絆を再生し、地域においては新たな家族をつりだすべきであるという理念を、誤解を恐れず、行政の基本構想の中で明確に位置付けた姿勢に共感を持つものであります。

 地方と都市の関係に関連して、10月23日、震度6強の大きな地震が連続して発生し、その余震がいまなおつづく新潟県中越地方では、国内での交流都市・小国町も甚大な被害を受けており、町民及び県民の皆様には、ここに改めてお見舞いを申し上げたいと思いますが、本市では、地震発生直後に支援活動に乗り出し、国内の姉妹・友好都市も即座に対応してくださるなど、これまでの交流の成果がこういった面でも発揮されたことは、都市交流のもうひとつの意義として、その重要性をいっそう実感させるものとなりました。

 その意味でも、交流を基本構想策定に当たっての柱に据えたことはタイムリーであり、かつ、示唆に富むものであります。本市の防災体制強化の観点からも、今後の交流事業に、防災協力の視点をより明確に位置づけることを要望したいと思います。
つぎに、本基本構想では、市勢と将来展望について、これまでの基本構想とは比べものにならないほど、人口構成問題を重視し、さらに、今回は、家族類型別世帯数の将来推計も記述されたことが注目されました。

 第三期基本構想策定当時の平成4年と、本基本構想の目標最終年度が終わる平成27年とを比較してみると、全人口に占める15歳以下の「年少人口」は30%減、「生産年齢人口」は11%減、一方、「高齢者人口」はなんと2.48倍の増加となることが予測されており、人口構成問題は、家族形態のさらなる細分化傾向や、単身者世帯の増加などとも相俟って、税収の推移、財源配分に与える影響など、市政運営上の今後の重要問題となっていくことが改めて認識させられました。

 これに対し、本基本構想・長期計画(案)では、記述の全般にわたって、高い武蔵野市の行政サービスの質を今後も落とさないよう、市が行なう事務・事業への、民間経営の視点、及びその手法導入の必要性、行政が行うべき仕事かどうかを判断する補完性の原則や、経済合理性に基づく適正な受益者負担の検討など、自治体経営を抜本的に改革する決意がみなぎるものと判断することができます。

 なお、人口減少問題に関連して、全国的な問題となっている少子化対策についてですが、現在、国や東京都でも取り組まれていることは承知しておりますが、残念ながらその実効性は全くなく、逆に更なる少子化に陥っています。この問題解決は、現下の社会システムの中ではなかなか難しいものがありますが、土屋市長は、本年8月に上梓された「ムーバスの思想」の中で『少子化対策・本音の提言』として、その処方箋を世に問いました。そこには、女性の出産支援への社会的法整備、家庭保育重視への財政的・政策的移行、育児支援態勢の充実・強化などが具体的に示され、これは、あらゆる制度改革が叫ばれている今こそ、声をあげ実現すべき政策であると考えます。

 実際、北欧などの一部の国では、同様の取組みが実行され効果をあげていることはご承知のとおりで、日本でも、都内・江戸川区では同様の理念のもと、35年間区長を務めた前区長の「幼い子供はできる限り家庭的な愛情の中で育てられるべきだ」という固い信念が今も継承され、乳幼児一人当たり、それぞれ、1万円から1万3,000円の乳児養育手当て、私立幼稚園への8万円の入園料補助、並びに所得制限を設けない一律2万6,000円となるような保育料補助など、手厚い育児助成制度とともに、一時保育や、乳幼児の各発育段階にあわせた子育て交流支援を実施していることにより、同区では、区内保育施設の延長保育実施率が平成14年度の統計で23区平均45.81%に対して17.11%、同じく0歳児保育実施率が23区平均71.1%に対して11.84%であるにもかかわらず、合計特殊出生率は23区平均の0.98人に対して1.34人という、驚くべき高い数字を維持している実例があります。

 ぜひとも、土屋市長には、ご著書で述べられている『少子化対策・本音の提言』の政策実行に向けた具体的研究を求めたいと思います。

 つぎに、現在わが国で取り組まれている各種制度改革、とりわけ、「三位一体改革」における『義務教育費国庫負担制度の取り扱い』についてですが、教育論抜きの税源移譲を前提とした全国市長会での取りまとめが行なわれる前に、「全国市長会社会文教委員会分権型教育に関する研究会」の、土屋市長を代表とした市長15名が、連名で「義務教育の国の責任の明確化と当面の制度維持」を求めて、本年5月に小泉総理以下、関係六閣僚に対して提言書を提出するなど、積極的な行動に出たことは的確な判断といえ、高く評価できます。

 そのかいもあってか、先月末、政府・与党調整の中で、平成17、18両年度は、各年度の予算措置として4,250億円ずつ削減措置するとされ、とりあえず17年度は、減額相当分は税源移譲予定特例交付金で措置することになったようですが、その後については「17年秋までに中央教育審議会で出す答申内容を踏まえる」との制約をつけることで、同審議会での今後の議論で方向がかわる可能性もでてきました。

 イギリスでは、1944年施行の教育法による初等中等教育の地方分権化によって、1980年代には学力低下や偏向教育など、教育の荒廃に起因するイギリス病が蔓延していましたが、サッチャー政権以降、教育財政の負担率を段階的に地方から国へ移し、国の教育監督権限を強化。「教育水準局」が「学校監査」によって廃校措置もあり得る強力な権限を行使できるようにしたことにより、初等中等教育の水準が著しく向上したという実例があります。このように、イギリスでは当時のサッチャー首相の強力なリーダーシップによって教育を立て直すことができましたが、半世紀以上も前に失敗の芽をつくったイギリスの轍を、日本がこれから踏みつつあることに、私たちは大きな危機感を感じております。今後、土屋市長には、さらに慎重に事態の推移を注視していただき、さまざまな場面を活用して、「財政論」「数合わせ論」による義務教育改革を廃し、「教育論」の視点から議論を進めるよう、声を挙げていっていただくことを要望いたします。

 つぎに、各施策について述べてまいりたいと思います。

 まず、福祉施策ついてですが、自助・共助・公助の役割分担をいっそう進め、今後は、人々が助け合い、行政はそれを助けネットワーク化することで、武蔵野市の高い「生活の質」を確保していくとしています。これは、厳しい財政見通しの中では的確な方向性と言うことができますが、今後は、その担い手となる人材や団体の育成が課題と考えます。助け合いネットワークの基本は一にも二にも人です。このようなことに携わる市民の方々は、市民社協ホームページの会長のコラムからお言葉を借りれば「義をみてせざるは勇なきなり」との精神にかられて、自らが街や仲間を守るために行動してくださる方々です。そのことをしっかりと念頭に置きつつ、地域の人材や福祉グループへのいっそうの支援強化をお願したいと思います。

 次に、介護保険制度改革についてですが、本年の施政方針でも述べられているとおり、全国的に介護保険給付費が増大して、武蔵野市でも、この3年間で、65歳以上の対象者数は1.08倍なのにもかかわらず、要介護認定者数は1.52倍、介護給付費は1.45倍に上っています。「高齢者の生活支援を権利と義務の関係に固定したことによって、保険料を支払った分に見合ったサービスの受給をという国民感情があるのではないか」という市長のご見解は、全くそのとおりで、この中には、結果的に自立を妨げる過剰介護の問題もあります。長期計画の中でも、特に力点が置かている介護予防、過剰介護の抑制への取り組みを早急にご検討いただく必要があります。

 関連して、介護保険制度改革への、政府や全国に対する武蔵野市の考え方の発信も高く評価できます。長期的には、介護保険目的の消費税を創設し、市町村ごとに65歳以上の高齢者の数によって配分する。国が経営し、市町村が運営する方式。国が財源を保障し、給付は市町村の創意工夫を生かす自由度の高い制度が実現するよう、一層のご努力を期待しております。

 つぎに、家族と子ども施策についてですが、家庭の子育て機能の回復に取り組むことが示されました。昨今の殺伐とした世相や、生活の変化を考え合わせると、極めて時宜に適っております。親の気持ちは、できることなら家庭で子育てをしたい。しかしながら、この厳しい経済状況などの中にあって、いかに家庭と人生を充実させるかという相克の中にあります。これらの状況も勘案しつつ、しかし、子どもにとって本当に何が必要なのかという観点を忘れず、バランスをとって子育てを支援していくことが求められております。安易な子育ての外注化には十分注意を払いつつ、財政的な観点からも、公の保育から民の保育へ、家庭で子育てしやすくする政策的誘導が必要です。その意味で、幼稚園を含めた民間子育て支援事業者や、子育てグループとの連携、支援の拡充の方向性が示されたことは高く評価できます。政策誘導という観点で、総合的な研究による早急なる対応を求めたいと思います。

 境幼稚園についてですが、本構想では、新子育て施設を展望して、発展的解消を図ると書いてありますが、これについては、財政論だけではない、公教育として担われてきた幼児教育をどう考えるかと同時に、同園への地域の思いという視点も重要です。
 もちろん、現状をふまえて、その役割や経営のあり方の根本的な見直しは必要かと思いますが、今後、時間をかけて、地域、地域で活躍する卒園生や父兄、近隣の私立幼稚園関係者などの声にもじっくりと耳を傾けつつ、議論を深めていくべき問題であると考えておりますので、慎重なる対応をお願いいたします。

 学校については、今日、公立離れが叫ばれております。週五日制などもあって父兄が心配する最も大きな要因は「学力」への不安にあります。その意味で、学力向上対策として、本市独自の定期的な学力調査の実施や、教育指導員派遣システム(仮称)の導入に取り組まれることは、高く評価できます。今後は、この結果等を活用して、個々の生徒の学力をしっかりと把握し、問題点を改善するシステムづくりが必要です。また、公立学校の信頼回復・魅力向上という意味では、武蔵野市の学力向上に向けた取り組みや公立学校のセールスポイントのPR、市内公立学校間での健全な競争原理の導入も課題だと考えます。

 クラブ活動支援についても、子どもの意向・思いを尊重することも大事ですが、部活を見てくれる情熱ある先生の応援、発掘も重要です。これらの課題も含め、さらなる総合的な対策をご研究いただきたいと思います。

 旧桜堤小学校施設の用地活用方法の検討もいよいよ視野に入ってきました。市民はもとより、来街者にも開かれ、地域活性化に資するような方向で有効活用のご検討をお願いしたいと思います。

 桜堤調理場の老朽化が深刻とのことです。一食あたりの提供単価が1,100円以上、提供日数は190日以下、正規職員の1人当たりの年間平均人件費は1,000万円以上という、効率性の面から言えば、非効率この上ない事業の代表ともいえます。民間事業者があまたある中で、公務員がこの事業をやらなければならない理由はほとんどないといってもいいでしょう。
 このさい、本計画でも述べられているとおり、事業の民営化に向けた具体的な検討に入るべきと考えます。中学校の昼食対応については、私たちが求めた要望を受け入れて、未対応だった六中、二中、三中と順次すばやく対応していただいていることは高く評価しております。今後は、斡旋する弁当の夏季の安全とともに栄養バランスにも配慮できるような、システムの充実を期待しておりますので、よろしくお取り計らいのほどお願いしておきたいと思います。

 つぎに、商工業振興についてですが、ここで、吉祥寺グランドデザイン委員会を立ち上げ、官民共同で、新しい時代の魅力あるまちづくりへの取り組みが始まったことは大いに期待できます。
 ただ、将来像と同時に、路線商店街が直面している喫緊の課題解決への支援も重要です。具体的には、景気が低迷する中で、商店会への加盟をせず、イベントにも協力しない、しかし商店会が努力してつくりあげた商環境には最大限の恩恵を受けているという店舗が極めて多く、商店街関係者からすれば納得しがたい問題があります。
 もちろん商店会側も、商店会総合アンケートを実施して、未加盟店の加入しない理由を調査し、その課題解決に努力し、加盟への働きかけも、役員などが新たに開店したところに訪問して、開店祝いや粗品を送ったり、大家さんに商店会への加入を出店の条件にしてもらいたいと交渉しにいったりと、涙ぐましい努力をしているものの、加入促進はなかなか厳しい状況にあります。そのような中、都内複数の自治体では、世田谷区の「産業振興基本条例」のような、商店会への加入を努力義務とする条例を制定して、自治体が強い姿勢で、未加盟店舗に対して商店会の活動に協力を求めるという動きが相次いでおります。また、条例制定と商店会への協力を要請するチラシを、自治体が全事業所に発送することによって、すでに効果を挙げ始めているという実例も聞いております。
 特別委員会での私のこれに関する質問に対しては、大変前向きなご答弁をいただいたと認識しておりますので、早急なる対応をお願いしたいと思います。

 つぎに、防災・防犯対策についてです。西庁舎に建設を予定している(仮称)防災センターについては、今年の私たちの代表質問での「テロや人為的災害への対応機能も付加すべし」という提言を受けて、名称も(仮称)防災・安全センターとなって、その設置目的や意義がより明確にされました。安全対策については、本市では大阪の池田小学校事件以来、ホワイトイーグルやブルーキャップ、そして最近は、より地域に細かい目を配るための市民安全パトロール隊の発足など、他自治体の模範ともなっておりますが、今後は、市民への迅速なる情報提供システムの確立が求められております。犯罪事件などについては捜査上の秘密事項もあろうかとは思いますが、いつ、どこで、何がおきたという、客観的事実をなるべく早く知ることは、自己防御、子どもや家族を守るという意味からも重要なことです。その観点での情報提供システムのご検討をお願いしたいと思います。

 つぎに、都市基盤の整備についてですが、現在、JR中央線並びに西武線の高架事業も日一日と目に見える形で進み、武蔵境圏については、TMOなどでの市民との連携・協同によるまちの活性化の推進、農水省倉庫跡地への新公共施設、知的創造拠点を中心として、武蔵境が持つ水と緑のネットワークや武蔵野の原風景を生かした文化の薫り高いまちづくりなど、将来に向けて夢と希望のもてるものとなっております。今後は、南北一体型のまちづくりをしていくうえでも、大きな空間を提供するであろう高架下の活用が注目されております。市民の要望がどこにあるのかをしっかりと把握し、駅とそれ以外の高架下の利用について検討・交渉をしていただくことをお願いいたします。
 中央圏については、集積している公共施設の活用や、今後の重点課題でもある駅周辺地区の将来像の検討が明記されたことは高く評価いたします。
 吉祥寺圏については、昭和41年にスタートした駅周辺再開発、同62年の北口駅前広場完成などによって、まちは著しく発展し、いまでは、「住みたいまち吉祥寺」「吉祥寺ブランド」などの名の通り、全国的な知名度とともに、まち自体が成長をつづけ、更なる発展のための新たなる再開発の必要性が叫ばれております。吉祥寺グランドデザイン委員会でのまちの方々の思いにしっかりと耳を傾けつつ、地下構想も含め、大きな視点でのまちづくりをお願したいと思います。

 つぎに、行・財政とその改革についてですが、さらなる少子・超高齢化社会の進展などで、中・長期的には本市の歳入も近い将来下降傾向をたどることが予測されております。今後の厳しい財政見通しの中で、本市の高い市民サービスをいかに維持していくのか、老朽化しつつある公共施設の更新をいかに図るのかなど、課題は山のごとくあります。
 これに対し、本基本構想及び長期計画では、市民とのパートナーシップの推進、民間企業等のATMやインターネットなどを活用した行政サービスの拡大、選択的な行政サービスに対する受益者負担の見直し、公共施設の維持・更新計画の作成と維持費の縮減及び耐用年数の延伸、必ずしも行政が直接実施する必要のない業務の積極的な民間委託化、民間企業の経営手法の導入などで、高い市政レベルを保っていくことが示されたことは、極めて妥当な方向性であると考えます。厳しい経済環境の中で、市のあらゆる業務には、静かなる市民のシビアな目が向けられております。より効率・効果的な市政運営、市民対応向上に向けての、さらなる改革・内部努力を期待したいと思います。

 以上、武蔵野市が今後も、高い市民サービスを提供するための、有効・有用なさまざまな改革に着手することを高く評価し、我が自由民主クラブとしても、行政側にしっかりと意見を申し上げながら、一致協力できるものと判断し、最後に、第四基本構想及び長期計画(案)策定に当たり、市長が委嘱した市民委員6名を含む策定委員の方々が、市政の膨大なデータを分析し、積極的に現場の実態を調査し、各界各層にわたり各種ヒアリングなどを行なって市民意見を集約し、その活用に努めるなど、あらゆる分野にわたって議論を深めた上で、本案が作成されたことに心より敬意を表して、第四基本構想への賛成の討論とさせていただきます。
 みなさま本当におつかれさまでした。

 

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