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討論

 

平成18年 9月29日 第3回定例会本会議より

「平成17年度決算」への賛成討論

島崎義司

 自由民主クラブを代表して平成17年度武蔵野市決算及び水道事業会計決算に対する討論を行います。
 平成17年度は、国政において郵政民営化問題が政局となり、思いもかけず衆議院議員選挙へと展開。そこに降ってわいたように小泉総裁から直接出馬を請われた当時の土屋市長が衆院選に立候補し、それに伴って市長選挙が実施され、それまでの市政を30点と評価する邑上市長が当選、市政が引き継がれるという本市にとってはまさに激動の年となりました。なお、その土屋前市長は、このたび発足した安倍新内閣の総務政務官地方自治担当に就任されたということで、今後の真の地方分権の推進に向けて、これまでの現場での市長としての経験を十二分に生かし、存分に国政の立場から働いていただくことを期待したいと思います。
 さて、そのような激動を知るよしもない年度当初の市政は、21世紀を迎えて初めての本市の総合計画である第四期基本構想・長期計画の初年度として順調に船出し、その優先事業である安全・安心対策、高齢者・子ども施策、緑化・環境対策、圏域ごとのまちづくりなどに重点的に取り組まれてまいりました。しかし、年度後半、新たに市政運営を担当した邑上市長は、市民が主役と言いながら、一部の施策、すなわち平成9年以来、市民参加で議論が積み上げられてきた武蔵野プレイス(仮称)計画に対して、独善的で不適切な対応をとり、次年度予算案の否決を招き、市政を大きく混乱させるなど、その市政運営手法には議会のみならず市民からも大きな疑義や批判が投げかけられておりました。その市民の声については、2月に市民から提出されたプレイス計画の着実な遂行を求める、武蔵野プレイス(仮称)の実施設計に関する陳情に対し、わずか19日で地域市民5,364人から同意の署名が集まったという事実にも象徴されていると思います。その後、邑上市長が事の重大さ、自身のとった対応の間違いに気づき、大きく軌道修正したことについては、全面的にとは言えませんが、私たちも一定の評価をしたことは、さきの修正予算案認定の際、賛成討論で述べたとおりであります。
 私たち自由民主クラブでは、本決算の審査に当たり、これら市政における混乱の状況を念頭に置きつつ、17年度施策の展開への評価と同時に、問題点、課題を指摘することによって、18年度、ひいては19年度の的確な行政運営につなげるべく、総合的な観点から審査してまいりました。
 さて、平成17年度、本市の財政は、日本経済や企業の回復基調が着実なものとなりつつあることなどもあって、市税が約23億8,000万円、7.0%の増となるなど、引き続き市民の高い担税力に支えられました。また、基準財政収入額から基準財政需要額を除して算定する財政力指数も、単年度では1.569となり、同指数が1.6を超えると固定資産税の大規模償却資産の課税権が一部東京都に移行してしまう現象も、18年度については課税権が市に戻るなど、財政バランスは極めて良好なものとなりました。国の三位一体改革による国庫補助負担金の削減や税制改正で国庫支出金が大幅に減少するなど、今後の財源移譲の行方の不透明さや、19年度以降に予定される税源移譲による減収見込み、少子・高齢化の影響などもあって、決して楽観は許されない状況ではありますが、長期計画に示された施策を着実に実行すること、すなわち過不足なく施策を展開することは、財政バランス、税負担と市民サービスの適正性の観点からも重要なことと考えられます。
 以下、特徴的な何点かの施策への取り組みを挙げると同時に、問題点、課題についての意見を申し上げつつ、本決算への討論を進めてまいりたいと思います。
 まず、長期計画の優先事業の中から、平成17年度の予算の概要のサブタイトルともなった緊急課題、国内外での地震災害の教訓を生かした防災・安全施策の充実についてであります。
 一昨年10月に友好都市小国町を含む新潟県中越地方を突如襲った大地震は、多くの教訓を我々に示してくれました。これを生かして取り組まれた家具転倒防止金具取付事業や緊急時に拠点機能を果たす防災広場の整備、公共施設の耐震診断、公共下水道の耐震化、そしてあらゆる災害に対応するための情報収集伝達指揮所機能、市民情報の保護機能も備えた防災・安全センター(仮称)を予定どおり着工するなど、防災・安全対策が一層進みました。
 また、昨年2月に大阪・寝屋川市の小学校で発生した卒業生による教師殺傷事件を受けて、即刻、公立小・中学校、幼稚園での児童生徒の安全確保のためのチェックリストの再点検や、学校の安全管理、安全指導の強化、既存の危機管理マニュアルの見直し等、緊急安全対策が講じられておりましたが、さらに17年度はすべての公立小・中学校や幼稚園、保育園に防犯カメラ、センサーライト、保育園門扉オートロックなどが設置され、録画による監視体制なども整いました。ただし、一方で安全性に過敏になり過ぎて、学校が閉鎖的になってはなりません。地域で学校を見守る、地域の力を引き出すことが重要であります。そのためにも、市長は職員の先頭に立って地域に入り、ふだんから信頼関係を構築することが肝要です。地域の実情をしっかりと把握するよう要望しておきます。
 次に、子ども施策の中から民間幼稚園についてであります。平成17年度で見ると、市内の未就学児童は全体の32.6%、1,834人が民間幼稚園に通園しており、武蔵野市の幼児教育を大きく担っていただいております。これまでも本市では充実した補助が行われておりますが、現在、少子化の影響もあり、民間幼稚園の経営は厳しいものがあると聞いております。市内のみならず、他市からももっと入園してもらえるようなサポートが行政としても必要不可欠であります。市のさまざまな広告媒体を活用した園児募集、園の紹介なども一定の前進が図られてはおりますが、さらに細かな配慮が必要であります。本市の未就学児童に係るコスト比較では、私立幼稚園就園児童を持つ家庭への1人当たりの決算額が38万7,000円であるのに対して、対象児童全体の23.3%、1,308人の保育園就園児童を持つ家庭への1人当たりの決算額は244万6,000円でありました。この決算額を見ても、もっと民間幼稚園は支援されてしかるべきであります。市内民間幼稚園へのさらなる総合的な支援の検討を要望しておきます。
 次に、緑化・環境施策についてであります。武蔵野市緑の基本計画に従って、各地区の公園整備や仙川の親水化など、着実に水と緑のネットワークが充実されたことは評価できますが、邑上市長の武蔵野市の公共用地取得への考え方、緑や公園空間の確保に対する認識については、今回の質疑の中で、残念ながら再び問題ある認識が示されましたので、ここで厳しく指摘しておかなければなりません。それは、旧武蔵境郵政宿舎跡地取得のチャンスをみすみす見逃したこと。すなわち、最も取得しやすく、安価で手に入る国有地の払い下げを、しかも緑地や都市公園などにすれば補助金なども期待できるものを、いとも簡単に断るという政策判断の間違いをあくまでも認めようとしないこと。そして、さらに今回、人のせいにしているともとれるような答弁をしたことについてであります。
 この問題については、ことしの予算特別委員会での私の質疑以来、多くの議員から取り上げられ、これまで邑上市長は国から市に対して有償譲渡の照会が昨年11月ごろにあったが、市の経営者会議での判断で断った。買っても土地を何に使うか決まっていないので断ったなどと答弁しておりましたが、今回はさらに、9月に最初の打診があったという所管部からの答弁を受ける形で、その前から空き地になっていたなどと、さも前市長が決断しなかったのが悪いとでも言いたげな、責任回避とも言える答弁をしました。これについては、前提条件や現状認識を疑わざるを得ない答弁と断じておきます。幾ら空き地になっていたとしても、国からの打診が正式に来たのは昨年9月以降の話であり、前市長はちょうどその打診の前に退職しており、市長在職中は処分方法の決まっていない国の土地で、それを勝手にどうこうと決められるわけがないのです。この話は、新市長の就任を待って、しかもなお、検討の時間を含めて十分に時間的な余裕があったもので、邑上市長の政策判断の間違い以外の何物でもないと私たちは考えます。
 その後、低く見積もっても、境郵政宿舎跡地の数倍はする法政跡地について、何の裏づけもなく議会で簡単に買いたいと言ったものの、結局は買えず、今回の泉幼稚園跡地についても、土地を何に使うか決まっていなければ買わないと言っていたはずなのに、答弁でも明確には使い道が決まっていないのに、取得に向けて着々と動くなど、土地取得の考え方の整合性は全くとれていないと言わざるを得ません。武蔵野市は、現在、市民1人当たりの公園面積が4.4平方メートル。ちなみに、東京都内平均は5.34平方メートルですが、これを武蔵野市緑の基本計画の目標値11.9平方メートルに近づけるため、公園・緑地の量的な拡充を進めている最中のはずであり、境郵政宿舎跡地は安価で武蔵野市の公園・緑地を拡大するまたとないチャンスだったのであります。この経営判断は、市民に対する不利益行為と言われても仕方のないものと、改めて申し上げておきます。なお、私たちは、諸用地での公有地取得は当然のことと考えており、泉幼稚園跡地についてはしっかりと進めていただくことを改めて強く要望しておきます。
 次に、圏域ごとのまちづくりについてです。新宿や立川など、近隣ライバル都市の大規模商業地域がリニューアルや新たな整備などで活気づく中、本市の基幹産業とも言える吉祥寺商業のハード、ソフト両面での総合的な支援に引き続き取り組まれたことは高く評価できます。吉祥寺のみならず、武蔵野市の路線商店会が今、頭を悩ませている課題は、商店会への未加入問題です。仕事でもないのに、断られても、嫌みを言われても、未加入店舗に足を運ぶ商店会役員の皆さんの気持ちを考え、何としても早期に有効な支援策を講じてほしいと、我が会派はこれを最重要課題として議会などで訴え続けてまいりましたが、17年度、金子商連会長を座長とする武蔵野市路線商業活性化懇談会が設置され、9回にわたる熱心な会議での討議を経て、路線商業の活性化についての提言書がまとめられたことを高く評価します。今後は、この提言書に基づいた真剣かつ実効性のある取り組みが求められております。今後も行政には、商業者の皆さんとしっかりとスクラムを組んで、着実な取り組みをしていただくことを強く要望いたします。
 武蔵境のまちづくりについては、鉄道連続立体交差化事業に伴う高架橋工事も順調に進み、新駅舎のフレームも姿をあらわし始めてきました。南北一体型のまちづくりに向けた地域住民の期待と関心はさらに高まっております。武蔵野プレイス(仮称)や高架下の利活用方法が武蔵境の回遊性を創出できるよう、そして地域住民や商店会関係者の意向を的確に反映できるよう、ソフト、ハード、両面での整備に向けて今後も十分な検討を要望いたします。
 今回の議論で問題となったアンテナショップ麦わら帽子の経営についてですが、これまでの経緯や設置目的が営利追求のためではないとはいえ、有限会社武蔵野交流センターも会社であり、その経営にはモラルが求められております。17年度、家賃を含め、実質800万円の赤字ということになりましたが、18年度の予算でもこの規模の会社としては高いと言わざるを得ない税理士顧問料や役員報酬を計上し、家賃を含め、860万円の赤字予算書をつくるというのは、民間ならばあり得ないことであります。この事業は、武蔵野市の都市交流の窓口であり、何としても末永く維持させるべき武蔵野市らしい事業であります。そのためにも市民理解は不可欠であり、一層の経営改善の努力を強く求めておきたいと思います。
 そのほか、17年度の事業や施策については、三鷹駅、吉祥寺駅のバリアフリー化の推進、ムーバス新規路線の検討、都立武蔵野中央公園スポーツ広場の整備、小児救急医療体制の強化、図書館のインターネット予約システムの導入、都市間交流の推進、都市農業の推進、着実な道路整備、水道などライフラインの整備等々、第四期基本構想・長期計画にのっとって着実に取り組まれたものと評価できます。しかし、17年度の行政運営については、失礼ながら邑上市長は前市長との違いを出したいとの一心で先走り、パフォーマンスが過ぎたとも言わざるを得ません。武蔵野プレイス(仮称)の強引な縮小問題、長期計画の拙速な見直し問題、公有地取得に対する問題認識、市民が主役と言いつつ、その実、全く逆の独善的な行政運営手法に陥り、市政を混乱させた問題。高い市民力に支えられる武蔵野市という現状を無視して、市長・市役所交際費の100万円枠にいまだに拘泥され、市民との適正な距離感を失いつつある問題。関連して、全く納得はできませんが、百歩譲って市長自身の交際費はそれでいいかもしれませんが、地域で現実に市民の中に入り、汗をかいている職員にまで市長と同じ対応、すなわち結果的には場合によってはポケットマネーを使わざるを得ない状況とさせている問題など、現在進行形の幾つかの重大な問題点もあります。
 ことしの修正予算案認定の際も申し上げましたが、過ちてはすなわち改むるにはばかることなかれの姿勢をこれからも忘れず、議会での議論を尊重し、丁寧に行政運営することを期待して、平成17年度武蔵野市決算及び水道事業会計決算の認定に賛成の討論とさせていただきます。お疲れさまでした。

 

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